合宿編
十六話
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たの声が掛かった。
『アインハルト、ストップ。今の中に先陣突破でなのはさんの所に斬り込んで』
「……ヴィヴィオさんのお母様の所に?」
『向こうが何企んでるか判らないけど、恐らく要に成るのはなのはさんよ。全力で止めに行って』
「――――はい、承りました」
アインハルトはティアナの言に頷き駆け出しながら、チラリとアレクの方を見る。
アレクはゴライアスの対処に苦労しているが、今のところ攻勢に回っている。此処でリオが加わっても、そう簡単に墜ちはしない……だろう。
そう思いなのはに向かうが、どうにも後ろに気を引かれる。クラウスの、オリヴィエに置き去りにされた記憶があるからか。
だが此れは生死と関係無い試合で、昔とは違う。アインハルトは頭を振り、先に居るなのはを見据えた。
「ヴィヴィオさんのお母様、一槍お願い致します!」
「私で良ければ、喜んで!」
アインハルトが中距離に差し掛かった所で、なのはは射砲支援を止めレイジングハートの切っ先を向ける。
そして、先ずは足を止めようと弾幕を集中させる。
アクセルシューター!
幾つもの弾が上下左右からアインハルトを襲うが通らない、旋を描いた手で捌かれる。
だがヴィヴィオ等とのやり取りを見ていたので、此れはなのはも承知でやった事。狙いは次の一撃だ。
フォトン・スマッシャー!
今度は弾ではなく砲撃、これはどう捌くのか。なのはは若干の興味を含みながら狙い撃つ。
砲撃に対しアインハルトは、弾を捌ききった後に拳を突き出すだけだけ。ただ其れだけで砲撃を相殺し、あら、と驚くなのはに進撃した。
「はあっ!」
「おっと!」
なのはは顔面を狙うストレートを躱し、次いで来るリバーブローをレイジングハートの柄で防ぐ。
やや前姿勢であるが、左右どちらの拳も強打であり、打っても姿勢が崩れない。それに途切れない事から、地道な基礎トレーニングを続け、確りとした土台作りをしてきたのだろう。
なのはは続く拳打を捌きながら、アインハルトの分析を続ける。
一方、アインハルトは強固な壁に向かい打ち続けているような気分だった。
ボディを狙う拳は防がれ、顔を狙えば捌かれる上に、後退すらさせられない。思考を読まれているかのようだ。
だが、このまま攻め続ければ――――。
『アインハルト、あんまり攻撃一辺倒だとなのはさんのアレが!』
『おまえ敵チームだろ!?』
何故か青組のスバルの注意とノーヴェの野次があったが、アインハルトの耳に届いていない。
なのはの腕を打ち飛ばして防御を開かせ、空いた身体に右拳廻打を叩き込む……が、身体を打ったにしてはやけに硬い感触がした。
バインディングシールド!
シールドから発生したチェーンが
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