合宿編
十六話
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纏い弾丸のように進撃する先はゴライアス。弾を防いだ後の苦し紛れのような拳に自身の拳を合わせ、その反動で進路を変えてターゲットへ向かう。本命はまだ体勢の整わないヴィヴィオ、反射的に構えたリオを素通りして変わらぬ速度で突き進む。
対し、回避も間に合わないとヴィヴィオは咄嗟に防御を固めるが、アレクが身を低くした事に気付き見開いた瞬間、足が低空のタックルに攫われ宙を舞った。
だが、この速度で通過したならば連撃は不可能。LIFEを1000まで減らされながらも次に備えようとするが、地に着く前に襲い掛かる拳が在った。アインハルトが覇王流の歩法を駆使し、更にリップストリームの要領でアレクの後を追い迫っていた。
不味い! そうヴィヴィオは思うが既に遅く、振り下ろされた拳を食らい地に叩き落とされた。
LIFEの残りは500。アインハルトの更なる追撃が……という所で、黒いダガーが飛来した。
トーデス・ドルヒ!
ダガーの形をしたルーテシアの射撃魔法。着弾と同時に爆裂し、アインハルトのLIFEを2550に減らして遠ざけた。
◆ ◇ ◆
一瞬で塗り替わった視界に瞬きするヴィヴィオに、ひらひらと手を振る姿が映る。
見渡してみるとルーテシアが居る青組陣営最後尾で、召喚による転送だと遅れて理解した。
「あの二人はどうだった?」
「……強かった」
ルーテシアの質問に、ヴィヴィオは噛み締めるように答えた。
格闘技ではまだまだ敵わないからと魔法戦で挑んだが、予期せぬ手段で返された。その矢先のアレクによる襲撃も、予想以上に早かった。
だが、まだ敵わない……、とヴィヴィオは項垂れるような精神をしていない。
「……でも、もっと知りたい、もっともっと戦いたい!」
また機会があれば、と言ったアインハルトに応える為に、戦ってみたいと思っていたアレクとも向き合う為に。二人が本気で向かってきているのだから、応えなければ寧ろ失礼というものだ。
まだ自分も見せてないものだってある。これが通じるか判らないが、凄く試してみたい。すぐさま飛び出そうとするヴィヴィオに、ルーテシアが待ったを掛ける。
「行くのは治療してからね」
「ええー!」
「こんな序盤でアタッカーが墜ちたら大変でしょ。全快するまであの二人の攻略法でも考えてなさい」
「……はぁ〜い」
ヴィヴィオはルーテシアの言に頷きモニタに映るアレクとアインハルトをガン見するが、すぐにうずうずそわそわと落ち着きがない。完全に火が点いた状態だ。
そんなヴィヴィオを横目に、ルーテシアは戦力分析を開始する。
現在アレクとアインハルトのLIFEは2500。戦力はヴィヴィオ等を上回っていると明白になったが、それはあくまで個々の戦力に過ぎない。先程の連携も協力し
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