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妖精の義兄妹の絆
ギルドへの依頼
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ろっか?」
「え?でも、まだこんなにあるぜ。どうせなら全部採ろうぜ。」
確か二人が大量に採ったとはいえ、薬草はまだかなり生い茂っていた。
「全部採っちゃうと次からはここに薬草が生えてこなくなるの。だから必要な分しか採っちゃだめなんだよ。」
「へえ、そうなのか。なら、仕方ないな。」
少し勿体ない気もしたが、そういう理由なら仕方ないとタクヤはポイントから離れた。
「じゃあ、帰るか。」
「!…もうすぐ大雨が降る…。」
「なにいってんだよ。こんなに晴れてるじゃないか。」
タクヤが空に向かって指をさすと青空はたちまち灰色の雲に覆われた。

ポツ

その瞬間、空から大粒の雨が降ってきた。
「マジかよ…。」
タクヤは目を丸くしてその場に固まっていた。
「こっち!この先に洞窟があるからそこで雨宿りしよう。」
ウェンディはタクヤの腕を掴んで走った。


ウェンディが案内した洞窟は大人3人は容易く入れるぐらい広かった。
子供であるタクヤとウェンディだけだとそれ以上に感じられる。
洞窟の中には前もって準備してあったのか薪が段を重ねている。そのほかにも布団や木の実などもあった。
「なんで薪とか布団があるんだ?」
「前に何度か薬草や木の実を採りに行ったときも雨が降っちゃって、そのときにこの洞窟を見つけたの。だから、
いざってときのために薪を用意してたの。」
「はー、しっかりしてるなー。」
「えへへ、…でも、この様子じゃしばらくやみそうにないなー。」
ウェンディは洞窟から外の様子を見た。
依然として雨は規則正しく降り続けている。やむのは明日になるだろう、とウェンディは推測した。
「…まぁ、最悪ここで野宿だな。木の実もあるし、大丈夫だろ。」
「そうだね。」
「まず、火をおこすか。少し肌寒くなってきたからな。」
タクヤはその辺にあった石を二つ拾い、力強く打ち付けた。
「それで火がつくの?」
「あぁ、旅してた時もこーやって火をおこしてたんだ。」
タクヤが石を打ち続けてるうちに火花が散ってきた。
何度もしているうちに火は少しずつまとまってきた。
「よし、これで薪に移せば…。」
タクヤが小さな火種を薪へそっと移した。薪はみるみる火に焼かれ次第に大きな火へと姿を変えていった。
「こんなもんだろ。これで寒いのは完璧だな。」
「わぁ!すごいよ。タクヤ!」
「まぁな♪ざっとこんなもんさ。」
タクヤは鼻をかき自信げになった。








まだ外は大雨に見舞われている。
夕食を食べ終わった二人はなにもやることがないので早々に寝支度をしていた、が、
「…。」
布団をかけて寝ようとしたが布団は一人分しかなかったのだ。
(「元々、ウェンディ一人が野宿する用に準備してんだから一枚しかないのは当然か…
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