暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ここは海鳴、始まりの街 〜追憶の旅路そのいち♪〜
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れていた)を使って、すずかとアリサの記憶を取り戻せないか、というものだった。
(・・・・出来る、だろうか・・・? 界律によって処理された記憶だ。欠片も残っていなかったら、いくら魔術でも・・・)
試した事、試そうと思ったことすら無い方法だ。それに“界律”によるこういう記憶処理は、どこまでの影響力を誇っているかどうかも知らない。
記憶処理については知ってはいるが、それはただ知っているだけ。完全に理解なんてしていない、そういうものだとしか。私の“界律”に対する知識は所詮そう言ったレベルだ。そんな“界律”に処理された記憶を取り戻すなんて・・・・。
(何せこう言った誰かの記憶を取り戻す云々というケースに出くわす事なんてまずないからな・・・)
「どうしたのルシル? さっきから眉間にしわを寄せて難しい顔してるけど・・・」
深く考え込んでしまっていたようで、フェイトが隣を歩く私の前に躍り出て上目づかいでそう訊いてきた。百聞は一見に如かず。通信端末のメール画面をフェイトに見せる。フェイトは「リエイスの魔術で記憶を戻すっ? 出来るのそんな事?」と驚いている。
「判らない。同じ因果律の世界に召喚されることはあまり無い。あったとしても数十年後か数百年後かの未来か過去。数年の空白、しかも界律の記憶処理を受けた世界の在る複数世界に再召喚なんてことは、この一万年弱の間で初めてかもしれない」
そもそも前回の召喚自体からして異例だった。“終極テルミナス”が地球の“界律”に接触し、それによって私とシャルが召喚された。それだけならまだ大した問題じゃない。次元世界のように複数の世界の集合体、その内の一世界に召喚されることは今までもあった。
活動の場はもちろん守護神を召喚した一世界を軸としていたから、本契約執行を“界律”より言い渡されても、その一世界から私たちの存在が抹消されるわけじゃない。だが前回、“テルミナス”の計画によって召喚された地球に留まらず数十という世界にいいように使われた。
そして、それなり数の知り合いを作っていた地球ではなくミッドチルダで本契約が言い渡された。結果、地球の“界律”から不要とされた私とシャルの存在が抹消、高町家を始めとしたすずか達の記憶からも消えた。
(本当に異例尽くしだな。感謝はしているが、やはり恨むぞテルミナス)
現テルミナスではなく先代テルミナスに対して心の内で呪う。
「そっか・・・それじゃあ今こうしてルシルと一緒に歩けるのは本当に奇跡なんだね」
フェイトが私の話を聞いて、私の隣に戻った後そう呟いた。そもそもフェイト達と出逢ったこと自体が奇跡なんだがな、私からしてみれば。何となくフェイトと手を繋ぎたい衝動に駆られ、そっと彼女の手に触れる。フェイトは何も言わず、そっと優しく握り返してくれた。
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