大空の支配者
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。
「その子があたしよりも好きだから?」
さっきまでのルーなら、この問いに答えられなかっただろう。
だが、それは“さっきまで”の話。
今とさっきは違う。
「――――――――――うん」
「!」
はっきりと、ルーは頷いた。
どこか照れたように頬を淡い朱に染め、はにかんで。
その言葉にサヤは目を見開き、ルーシィはバルゴからルーに向ける視線を変えた。
「確かに僕はサヤが好きだった・・・好きだったんだ。今もサヤは好きだけど、それは友達としての好きでしかない」
いつもと違う、落ち着いた声がゆっくりと響く。
「今の僕は・・・ルーシィが好き、なんだ。何よりも、誰よりも。傍にいたいし、守ってあげたい。ルーシィ1人満足に守れないほど、僕は弱いかもしれないけど・・・」
本人が後ろにいるからか、ルーは照れたように目を伏せる。
バルゴを閉門したルーシィはブシューッと煙を噴き出しそうな勢いで真っ赤になった。
因みに星霊界に帰る直前のバルゴが「でぇきてぇる」と無表情で呟いたのは余談である。
「弱い事を理由にするのは好きじゃない。だから、弱くても強くても守るって決めたんだ」
強い意志。
真っ直ぐで真っ直ぐで仕方ない、純粋な想い。
大切な人の為なら、自分の命の危険さえ躊躇わない。
「ルーシィ!」
「え?な、何?」
突然名を呼ばれ、ルーシィは頬を赤く染めたまま戸惑うように返事をする。
小さく視線を後ろへと向けたルーは微笑み、口を開いた。
「力を、貸して」
ルーシィのお母さんを利用された怒りから盲目になってたなぁ、とルーは思う。
正直な話、マミーに勝てる根拠はなかった。
サヤを利用されてしまえば攻撃が出来なくなり防御一戦になるのは目に見えてるし、明らかに相手の方が強い。マミーの放つオーラがそれをルーに教えている。
本来なら、補助を得意とするルーは戦うルーシィを補助する役回りであるはずなのだが、怒りでそれを忘れてしまっていた。
――――――そして。
「お願い」
自分が恋する金髪の星霊使いは、ただ黙って守られているような魔導士ではない。
その事だって誰よりも知ってるつもりだったのに、忘れていた。
入ってまだ1年と経っていないが、彼女だって立派な妖精の尻尾の魔導士なのだ。
「・・・もちろん」
―――――同じギルドの仲間の助けを、無視するなんて有り得ない。
ギルドの全員が頑張っている。ティアを助ける為に。
その前に、ルーシィはルーを助ける。
結果として、ルーとティアの2人を助けられると信じて。
「開け!金牛宮の扉、タウロス!」
「MO
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