大空の支配者
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っちゃってるならネタばらししてもいいかな・・・大空の支配者は一定範囲内の風に術者の魔力を漂わせて支配下に置く魔法。ま、僕の魔力が届く範囲にない風は操れないけどね」
くるくると左人差し指を回す。
その動きに合わせるように人差し指に風が纏われ、指の動きに合わせて小さい竜巻のようなものが出来上がった。
「でも、発動条件は基本的に揃ってるんだ。『僕の魔力が一定量ある事』と・・・『そこに風がある事』」
「空気・・・いや、アンタは風って言うのか。風がない状況なんて滅多にないからね。魔法でどうにかしない限りは」
「そういう事」
回していた人差し指の動きを止める。
それと同時に纏われていた風も消える。
「だけど・・・残念だねぇ」
「ん?」
マミーの口角が吊り上がる。
ルーは首を傾げた。
ボサボサの髪の下の瞳が、残酷に輝く。
「いくら強い力があろうと――――――――ルーじゃ、あたしは倒せない」
途中で声が変わった。
声だけではない。姿も、だ。
そこに立つのはマミーではなく、サヤ。
1番ルーが倒せず、倒す倒さないの前に敵対する事すら出来ない相手。
「うん・・・そうだね。僕じゃサヤを倒せない」
「でしょ?だからルー・・・」
「だけど」
サヤの言葉をルーは遮った。
その目にもう、迷いはない。
彼の目にサヤは映っていない―――――映っているのは、サヤに憑依するマミーの姿。
今自分がすべき事は何か、それをルーは知った。
「今の僕の傍には、大好きな仲間がいる」
微笑んだルーがそう呟いた、刹那。
「ドリルアタァーーーーック!」
「っきゃあああ!」
床からメイドが現れた。
桃色のショートカット、冷たい青い瞳は整った顔立ちにつり合っており、その表情は通常と変わらず無表情。
ミニのメイド服を纏い、手首に千切れた鎖の付いた枷を付けた星霊―――――バルゴは、床を突き破って不意打ちを仕掛けた。
不意打ちにサヤの体は天井近くまで跳ね上がる。
「姫!おしおきですか?」
「何でそうなるのよっ!」
バルゴは恭しくルーシィにお辞儀をする。
思わずルーシィがツッコみを入れた。
その様子を見るルーの表情には、余裕を取り戻したように優しい微笑みがあった。
「痛た・・・ヒドイよ、ルー!あたしを攻撃するなんて!」
ドスッと尻餅をついたサヤは痛そうに表情を歪めて立ち上がり、ルーを睨む。
「ずっと一緒にいようって約束したのに、あたしを殺そうとするんだ・・・自分が死なない為に?それとも・・・」
サヤの目が、ルーシィを捉える。
その冷たさと鋭さに思わずルーシィはビクッと震えた
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