暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
大空の支配者
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
っちゃってるならネタばらししてもいいかな・・・大空の支配者(ロード・オブ・アリエス)は一定範囲内の風に術者の魔力を漂わせて支配下に置く魔法。ま、僕の魔力が届く範囲にない風は操れないけどね」

くるくると左人差し指を回す。
その動きに合わせるように人差し指に風が纏われ、指の動きに合わせて小さい竜巻のようなものが出来上がった。

「でも、発動条件は基本的に揃ってるんだ。『僕の魔力が一定量ある事』と・・・『そこに風がある事』」
「空気・・・いや、アンタは風って言うのか。風がない状況なんて滅多にないからね。魔法でどうにかしない限りは」
「そういう事」

回していた人差し指の動きを止める。
それと同時に纏われていた風も消える。

「だけど・・・残念だねぇ」
「ん?」

マミーの口角が吊り上がる。
ルーは首を傾げた。
ボサボサの髪の下の瞳が、残酷に輝く。

「いくら強い力があろうと――――――――ルーじゃ、あたしは倒せない」

途中で声が変わった。
声だけではない。姿も、だ。
そこに立つのはマミーではなく、サヤ。
1番ルーが倒せず、倒す倒さないの前に敵対する事すら出来ない相手。

「うん・・・そうだね。僕じゃサヤを倒せない」
「でしょ?だからルー・・・」
「だけど」

サヤの言葉をルーは遮った。
その目にもう、迷いはない。
彼の目にサヤは映っていない―――――映っているのは、サヤに憑依するマミーの姿。
今自分がすべき事は何か、それをルーは知った。








「今の僕の傍には、大好きな仲間(ルーシィ)がいる」








微笑んだルーがそう呟いた、刹那。

「ドリルアタァーーーーック!」
「っきゃあああ!」

床からメイドが現れた。
桃色のショートカット、冷たい青い瞳は整った顔立ちにつり合っており、その表情は通常と変わらず無表情。
ミニのメイド服を纏い、手首に千切れた鎖の付いた枷を付けた星霊―――――バルゴは、床を突き破って不意打ちを仕掛けた。
不意打ちにサヤの体は天井近くまで跳ね上がる。

「姫!おしおきですか?」
「何でそうなるのよっ!」

バルゴは恭しくルーシィにお辞儀をする。
思わずルーシィがツッコみを入れた。
その様子を見るルーの表情には、余裕を取り戻したように優しい微笑みがあった。

「痛た・・・ヒドイよ、ルー!あたしを攻撃するなんて!」

ドスッと尻餅をついたサヤは痛そうに表情を歪めて立ち上がり、ルーを睨む。

「ずっと一緒にいようって約束したのに、あたしを殺そうとするんだ・・・自分が死なない為に?それとも・・・」

サヤの目が、ルーシィを捉える。
その冷たさと鋭さに思わずルーシィはビクッと震えた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ