暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
大空の支配者
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その手から、旋風が吹き荒れた。
ゴォォォォォッ!と音を立てる旋風は8本のナイフを巻き込んで回り、その風でナイフを粉々に砕いていく。
砕かれたナイフのカケラが小さく音を鳴らして床に落ちた。

「弾かなくたって防げるよ?」
「さっすが空の鉄壁(シエロ・ミュール)とまで言われる防御力・・・だけど、壊したって意味ないのさ」

ちろりと小さく舌を覗かせ、マミーは指を鳴らす。
すると、ナイフのカケラが淡い紫の光を帯びて宙に浮き、ゆっくりとカケラ同士がくっついていった。
そして―――――最終的には、8本のナイフがマミーの両手に握られる。

「どう?アタシの“復元魔法”は。どれだけ壊そうと無意味だ――――――」

無意味だよ、と言おうとして、それが遮られる。
原因は当然ルー。
その左手には緑色の魔法陣。
マミーの斜め右後ろの壁はヒビが入り、小さくへこんでいる。

「・・・なるほど」

それを見たマミーは何かに気づいたように小さく頷いた。

「アタシさぁ、ずっと不思議だったんだ」
「何が?」
「アンタの魔法、大空(アリエス)は防御重視の魔法。だから―――アンタに森2つを吹き飛ばして近くの村を壊滅、辺り一面を更地にするほどの攻撃魔法があるとは思えない、ってね」

ティアの魔法、大海(アクエリアス)は攻撃に特化した魔法だ。
そのバカみたいに高い攻撃力に術者の性格も加わって、ティアが起こす問題は大規模でありマカロフの悩みの種である。
が、ルーの魔法、大空(アリエス)は防御に特化した魔法。
盾では森を吹き飛ばせないし、攻撃が出来ない訳ではないがティア並みの大規模な問題を起こせるとは思えない――――――そう、マミーは考えていた。

「でも、第二開放(セカンドリリース)があるなら話は別ってワケだ。アンタが問題を起こすのは、アンタの敵が自分1人じゃ勝てないほど強い時だけ。だからアルカンジュとかティア嬢に比べると起こした問題の数が少ないんだろ?」
「まぁね」

マミーの言葉にルーは素直に頷く。
続けてマミーは口を開いた。

「序でに気づいたよ。第二開放(セカンドリリース)・・・大空の支配者(ロード・オブ・アリエス)だっけ?その仕掛け」

垂れ目が鋭く煌めく。
両手に持っていたナイフをホルダーにしまい、マミーは口角を上げた。

「単純な事だ。アンタは最低限の魔力を器に残して、それ以外の魔力を空間に放った。で、空気中に漂う自分の魔力と体内に残った魔力を繋げる・・・ま、コントローラーとラジコンみたいなモンだね。見えない線で繋げて操るんだ―――――――自分の魔力を漂わせた、空気を」
「ラストを風って言ってくれたら100点満点だったよ」

緑色の光を全身に纏ったルーが軽い調子で呟く。

「そこまで解
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