暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
大空の支配者
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


ヴィーテルシアは、苦戦していた。
塔の1つにいる、金髪三つ編み夕日色の瞳の少女姿のヴィーテルシアは軽い足取りでバックステップする。

「逃げないでくださいデス。私はアナタを消すんですからデス」
「生憎だが、私は消える訳にはいかない。ティアが生きている限り、私はその傍で相棒を名乗り続ける」

右手に『オーロラガーデン』と呼ばれる杖を持ったヴィーテルシアの表情は険しい。
目の前で蠱惑的に微笑むブロンドカーリーヘアの女性、セスがかなりの強者なのだ。
肉感的な肢体に肌が多く露出される服装、とびっきりの美人顔。
だが、ヴィーテルシアはセスに対して見惚れる事も惚れこむ事もない。

(フン、ティアの方が何千倍も美人だな)

最近クロスの影響を受けまくっているヴィーテルシアである。
ぎゅっと唇を噛みしめて静止したヴィーテルシアを不思議に思ったのか、ちょこんとセスが首を傾げた。

「どうしましたデス?敵にこういう事を言うのもアレですが、戦中は油断大敵デス」
「油断などしていない。ただ、私の相棒が貴様よりも美しいという事実を確認しただけだ」
「そうですかデス」

語尾にデスをつけるセスだが、言葉によってはおかしな敬語になる。

女帝の業火(エンプレス・オブ・エンプレス)!」

ヴィーテルシアは得意の魔法である女帝の業火(エンプレス・オブ・エンプレス)を放つ。
紅蓮の炎が床を駆け、セスへと向かって行く。
対してブロンドカーリーロングヘアを耳にかけたセスは右腕を薙ぎ払った。

雨よ、降れ(フォール・レイン)

上空に魔法陣が展開する。
そこからバシャバシャと雨が降り始めた。
その雨はヴィーテルシアの炎を、時間もかけずに消していく。

「チッ・・・天候魔法(ウェザーマジック)とは厄介な」
「そんな事ないデス。私にとっては敵を潰すのが楽になるいい魔法デス♪」

噛み合っていない2人の会話。
オーロラガーデンを強く握りしめつつ、ヴィーテルシアはセスを睨んだ。













ナイフが弾かれた。
マミーが放ったナイフがルーに当たる前に軌道を逸らされる。

「キャハハハッ!やっぱそう簡単にゃやられてくれないか!第二開放(セカンドリリース)とやらは!いいねぇ!楽しくなってきたよ!」

満面の笑みでマミーは床を思いっきり蹴り上げた。
ドン、という低い音と共にマミーの体がふわりと宙に浮く。
その両手には8本のナイフが器用に握られていた。

「だけどっ・・・この数全部を弾けるとは思えないなぁっ!」

空気を切る音が響き、8本のナイフがルーへと向かう。
それに対し、ルーは静かに左手を向け――――

大空旋風(アリエスホワールウィンド)!」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ