暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ここは海鳴、始まりの街 〜親友再会編〜
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い丘の上。私とルシルにとって思い出深い場所なんだけど、ルシルは憶えているかな? もし忘れられていたら結構ショックかも。でも、それは杞憂だった。

「もちろんだ。ここで、私はフェイトとアルフと出逢ったんだ」

ルシルは即答してくれた。そう、ここで私たちは初めて出逢った。出逢い方は最悪だったけど。ルシルも「いきなりケンカを売られて驚いたけどな」と苦笑。

「あの時は本当にご迷惑をお掛けしました」

謝って、少し沈黙。何となくそれが面白くて二人で笑った。それから公園内をぶらりと歩いた。見るのはどこも思い出のある場所だ。初めてクロノと会った場所、なのはと最後に戦った場所、なのはと一度お別れした場所。

「あれから十五年以上経ってるのに、今でもハッキリと思いだせる」

「私からすれば三千年以上前だが、色あせることなく憶えているよ」

私たち普通人とルシルとじゃ脳の記憶容量が違い過ぎるよ。それから少しの間、私たちは海を眺めながら思い出話をした。“エヘモニアの天柱”での決闘時、ルシルを動揺させようとしていた時とは違って、ただ純粋に。

「・・・少し冷えてきたな、そろそろ行こう」

海から吹く風は冷たくて、一瞬だけど私が体を震わしたのを見て、ルシルは私に右手を差し出してきた。いつもは私から差し伸べる手。けど今はルシルから・・・。

「うんっ」

ルシルの右手を掴む。優しい温かみを持つその右手を。私たちは海鳴臨海公園を後にして、ハラオウン家を目指す。道中はほとんど会話が無かったけど、それでも居心地のいい時間だった。そして9歳の頃からの実家であるマンションに到着。

「・・・あれ? 鍵がかかってる・・・」

玄関のノブに手を掛けてみると、鍵が掛かっているようで動かなかった。確か今日、エイミィは休みのはずだから家に居るって思ってたんだけど、買い物かな? もしかしてアルフも付いて行ったのかも。カレルとリエラは遊びに行ってるのかな?とりあえず鍵を開けて、

「どうぞー」

ルシルを迎え入れる。ルシルは「お邪魔します」って言って入っていく。私も続いて玄関を潜って、久しぶりの実家の空気を肌で感じた。

「懐かしいなぁ。最後に訪れた時と比べてあまり変わってない」

「最後って・・・あぁそっか。ルシルとシャルの誕生日の時・・・」

ルシルとシャルの誕生日パーティを準備するために、はやては二人に休暇を出した。そして二人は海鳴に戻って、ミッドに帰って来たときに“テルミナス”が来たんだ。

「・・・湿っぽい話だったな。やめよう」

「だね。そうだ、何か温かいモノでも飲む?」

少し冷えた体を温めるために、何か用意しよう。キッチンに入って・・・、よしっ、久しぶりに作ってみますかホットミルクティー。ちょっと手間がかかる
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