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切り開く為の力
セシリアVS霧瀬
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ここは、第三アリーナのAピット。
その中には腕を組んだ俺と一夏、二人の前には箒が正座をして俯いていた。
「それで………この一週間、君は何を教えていたのかなぁ?」
「…………………」
「ISについて教えてくれと頼んだはずなんだけどなぁ?」
「……………………」
「「目 を そ ら す な 」」

今日はセシリアとの試合前、いきなり一夏が俺のところに教えてくれと言うから何かと思ったら………
「………この一週間、何で俺は剣道の稽古だけをしてたんだ?」
「し、仕方がないだろう。お前のISもなかったのだから」
「まぁ、それはそうだけどーーーじゃない!知識とか基本的な事とかあっただろ?」
「………………………」
「「目 を そ ら す な っ」」

つまり、一夏専用のISは何かとごたついているらしく。
現在まで届いてはいなかった。
「…………………」
「……………………」
「…………………………」
三人の沈黙が辺りの空気を重くした。
「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」
一夏を三回も呼びながら、山田先生は第三アリーナのAピットを駆け足でやって来た。
「山田先生、どうしたんですか?」
俺は自分のISを一夏に貸そうとして、三日月のイヤリングを取ろうとする手を止め山田先生を見た。
「そ、それでですねっ!来ました!織斑くんの専用IS」
ーー今頃?
山田先生に遅れて千冬さんもやって来て
「織斑、すぐに準備しろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」
ーーいきなりの無茶ぶり
「この程度の障害、男子たるもの軽く乗り越えてみせろ、一夏」
ーー幼なじみからも無茶ぶり
「えっ?あの?いや?」
「「「早くっ!!!」」」
何で一夏の周りの異性はこんなに強引なの?
俺は無言で一夏の肩を叩き、その場を去った。




一夏の戦いはほぼ初めてと聞いていたが、結構互角………もしくは一夏が少し下かな?っと
思えるような僅差での一夏の敗北だった。
(第三アリーナのAピット)
「あぁ、負けたァァァ」
「しょうがないって、相手の方が経験とかが上なんだし。僅差まで行ったんだからよ、今回はそれでよしとしようぜ?」
落ち込む一夏の頭を撫でながら、何故か俺が慰めている。
その後ろでは、箒と千冬さんが殺気を込めた目で俺を見ていた。
ーー俺……何もしてなくねってか、何で千冬さんまで俺を睨むのさ………?あぁ、千冬さんはいわゆるブラコ
「それ以上、思ったら………殺す……!」ボソッ
ーーでは無かったらしい。っつか、何で解ったのか………謎だ………

「それじゃあ、次は俺か……」
一夏の頭を撫でるのを止めて、俺はボケーっとしながらピット・ゲートに進んだ。
「一応、俺も専用機持ちだし………メン
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