暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
60話:英雄(ヒーロー)≠ヘ遅れた頃にやってくる
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う。
まっすぐに、士に向かって飛んでくる物体―――丁度さっき頭の中で出てきた、ケータッチ。
士はそれを確認するとすぐに、飛んでくるケータッチに向かって手を伸ばした。そして片手で受け止め、反対の手でライドブッカーからカードを抜き取る。
それを見たシャドームーンとアポロガイストは「なっ!?」と声を上げる。
痛みに耐え、立ち上がりながら振り向き、士はケータッチに抜き取ったカード―――ファイナルコンプリート・カードを差し込む。
ブォン、という特殊な音を立てて、ケータッチ自体も変化する。大きさは一回り大きく、所々マゼンタ色だった部分が金色に変わる。
「まったく―――お前も慣れない事しやがって…」
士がそう言ってベルトのバックルに手をかけ、ケータッチを構えた瞬間―――閃光と弾丸が士を襲った。
「あっ!」
「士くん!?」
それらがシャドームーン達の手によって繰り出された攻撃だと、なのは達はすぐにわかった。
煙が立ち込めてまたも見えなくなる彼の姿。その光景を見たなのはは、再び後悔の念に襲われる。
またやってしまった。自分の所為で彼が……
〈 FINAL KAMEN RIDE・DECADE FINAL COMPLETE 〉
なのはがそう思ったその時、煙の中から十数枚のカードが飛び出した。
それらは回転しながらシャドームーンとアポロガイストへ向かっていき、二体の怪人はそのカードに斬りつけられ、地面に倒れ伏す。
そしてブーメランのように煙の中へ戻っていき、一瞬の静寂が空間を支配する。
次の瞬間、立ち込めていた煙が一瞬の内に弾け、その中央には……
士が―――ディケイド・ファイナルコンプリートフォームが佇んでいた。
士は手に持つ剣を肩に担ぎ、ゆっくりと踏み出す。
「…散々やってくれたなぁ、お前ら。―――だが、ここからは俺の
攻撃
(
ターン
)
だ。これ以上この世界も、俺の仲間も……
殺
(
や
)
らせはしないっ!」
そう言って剣の刀身を撫で、シャドームーン達に向かって一気に飛び出した。
「ヌゥッ!やらせん!」
既に立ち上がっていたシャドームーンはサタンサーベルを構え、士と激突する。
二回程の衝突音が響き、シャドームーンは声を上げて剣を横に振りぬく。
だが、そこにはもう士の姿はなく……
「―――ヌァ!?」
シャドームーンの肩にいきなり重みが加わる。士はシャドームーンの攻撃を跳躍することで回避し、さらにシャドームーンの肩を足場にすることで、一気に後ろにいるアポロガイストの少し上まで飛んだ。
「はぁあっ!」
「グゥ!ガッ!?」
落下の速度を利用しつつ、アポロガイストに斬りかかる士。アポロガイストはそれをアポロフルーレで受け止めるが、すぐに士の蹴りが腹部に直
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