暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
60話:英雄(ヒーロー)≠ヘ遅れた頃にやってくる
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…その奥にある筈の目に、それを感じた。

視線を上げれば、その彼が戦っている。敵の攻撃を掻い潜り、反撃をする。攻撃を受けて後退、または地面に膝をつけるが、すぐに相手に向かっていく。

そんな彼の姿。いつもは猛々しく、大きなその背中。
あの時も―――闇の書事件の最後の戦いの時も、あの背中になのはは憧れを抱いた。

だが今は、何かが違う。
戦ってるのはやはりいつも通り。しかし何か…何処かが違う。そう思うのは、自分だけだろうか。

そう思ってなのはは、はやてやフェイトに声をかけようとして―――止まった。

彼女達もまた、同じようなことを思っているのだろうか。真剣に見入るその表情に、何処か不安の色が見える。
だからそう思ったのが、自分だけじゃないことがわかった。

そして再び彼の姿を目で追って、やはり違和感を感じる。
その違和感が、なのはの不安をさらに駆り立てることとなる。

〈―――マスター〉
「っ!レイジングハート…」

そんななのはに、彼女の相棒(デバイス)―――レイジングハートが声をかけてきた。

〈マスターは彼を信じると決めた筈です〉
「……で、でも…」
〈信じたからこそ、マスターは“それ”を持ってきたのでしょう?〉

レイジングハートに言われ、なのはは思わずそれをバリアジャケット越しに掴む。
確かにそうだ。彼を助けた後、渡すつもりだったもの。それが今ここにある。

でも……今、自分がこれを渡す時、彼はどうするだろうか。
戦ってる最中に行って、彼は迷惑に思わないだろうか。もしかしたら、あの時のように―――

〈マスター〉
「…レイジングハート?」
〈私は何度だって言います。マスターは彼を信じると決めた筈です〉

そう言って宝石の部分を点滅させるレイジングハート。

〈マスターが信じる彼は―――その程度で折れるような人物(ひと)でしたか?〉
「―――っ!」
〈あの人は強い。それは、誰よりもあなたが―――彼の背中を見てきたマスターが、一番よく知っている筈です〉

レイジングハートにそう言われ、なのはは思わず視線を上げて彼を見た。

二体の怪人―――それもシグナムやヴィータを圧勝して見せた相手に、剣を振るい引き金を引く彼の姿。
敵の刃を受け止め、弾き、放たれた弾丸を避けていく。

そうだ。彼はいつだって、その背中を自分達に見せて戦ってくれていた。いつもその背中が、自分達を守ってくれた。


―――だけど、


そう思った瞬間、真紅の剣と細身の剣が彼を襲う。斬りつけられた彼は、火花を散らし呻き声を上げながら地面に転がった。
周りにいる皆が、あっと声を上げる。なのはも目を見開くが、しかし声までは出なかった。

それでも彼は再びゆっくりと立ち上がる。剣を振
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