暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
60話:英雄(ヒーロー)≠ヘ遅れた頃にやってくる
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とに疑問を抱いたシャドームーンが思考を巡らせたその時、彼の耳に地面を削るような音が入ってきた。そして視界の端には、人影が。
その人影を追うように視線を向けると、そこでは彼が―――ディケイドがスライディングをしながら進んでいた。

(まさか、アレをスライディングをしながら避けて…!?)

あの一瞬でそんなことが?バカな!?
そう考えるシャドームーンだが、事実士はシャドームーンが目の前まで迫った瞬間、咄嗟にスライディングに切り替えて上手くシャドームーンの一撃を避けたのだ。

士はシャドームーンの背後までやってくると、足を引っかけることで走ってきた勢いを利用して立ち上がり、

〈 Final dimension slash ! 〉
「うおおおぉぉぉぉぉ!」
「グォオッ!?」


そして振り向きざまに斜め下から一閃。さらにシャドームーンがよろけたところへ、

「だああぁぁぁぁ!!」
「ヌゥオオォォォ!」

横からの止めの一撃を振りぬく。勢いよく剣を振った所為か、士はシャドームーンに背中を向けるように半回転する。
銀色の装甲を深く抉られ、火花を体の所々で散らすシャドームーン。一歩、また一歩と士から離れていく。

「…今回は、貴様の勝ちのようだな…ディケイド……」

だが忘れるな、と続けざまに言うシャドームーン。

「我々は必ず、この世界を…次元世界そのものを支配する。そう…『必ず』だ!そのことを…肝に、銘じて…おけ……――――オオオォォォォッ!!」

そう言いながら前のめりに倒れ、シャドームーンは大きな音を立てて爆死し、士はその炎の光を背中で受け止めた。




















「や、やった…!」
「士君が…勝ったんだ…!」

シャドームーンの爆死によって、その一部始終を見ていたなのは達は歓喜した。
これでこの戦いも無事に終わる。彼もちゃんと取り戻すことができ、やっとまた皆と一緒に……

「―――……?」

だが、未だ揺らめく炎の先にいる彼は、どうも様子が違った。
いつの間にかファイナルコンプリートフォームから通常フォームに切り替えていた彼が、変身を解く仕草を一向にしない。それどころか、こちらに背を向けたまま空を仰ぎ見ていた。

心配になったなのは達は彼の名前を呼ぶが、それでも彼は反応を示さない。
どうしたのだろう、と疑問を覚え始めたその時、ようやく彼の手が動きだした。

すっと動き出した彼の両手は、左腰にあるライドブッカーへと移っていき―――“一枚のカード”を、取り出す。
戦闘が終わったのに何故?と再び疑問に思うなのは達を他所に、彼は取り出したカードを少し上げ、そして―――


その瞬間、

キュィイッ、ガギィン
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