暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
60話:英雄(ヒーロー)≠ヘ遅れた頃にやってくる
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クトする。ヴィータも一瞬シグナムの目を見て、一回頷いた。

「…主、お逃げください」
「え…?」

そしてシグナムから提案されたのは、『逃走』の一手だった。

「先程ハラオウン執務官と念話をして……向こうも状況が厳しいらしいです。ですから主達三人はハラオウン達と共に一旦アースラに戻り、体勢を立て直してください」
「……シグナムと、ヴィータは…?」
「あたし達はあいつらの足止め。たぶん今海鳴(ここ)にいる怪人達の中で、あいつらが一番強いから」

その提案に、三人は目を丸くした。それはつまり、自分達を置いて逃げろ、という事。
しかし今の二人は見るからにボロボロ。そんな二人を置いていけば、どうなるかは容易に想像がつく。

「そんなの…認められへん!私達が逃げるなら二人も一緒、戦うなら私達も戦う!二人だけを置いていくなんて、そんなの認められへんっ!!」
「しかし主、このままでは…!」

「つまらん言い争いは終わりにしてもらおうか」

はやてとシグナムの言葉を遮るように、シャドームーンが言い放つ。その手には、恐ろしいまでに真紅に染まった剣が握られている。

「どうせ逃げたところで、全員殺すことになるのだから意味がなかろう」

隣にいるアポロガイストの手にも、銃と盾。その二人が持つ武器の剣先と銃口は、確実になのは達に向けられていた。

このままでは全員殺される。そう思い、シグナムとヴィータは身構える。

「私達で時間を稼ぎます、その間に主達は…!」
「ダメや、絶対認めへん!シグナム達が死んじゃったら…!」

「主はやてっ!!」

シグナムの叱声に、思わずビクリッと体を震わせるはやて。その後ろにいたなのはやフェイトも、目を丸くした。よもやシグナムが主であるはやてに、そのような物腰で叫ぶなんて思わなかったからだ。

「…これは、必要な犠牲です。このままあなた達が殺されては、意味がないのです」

唇をかみしめ、それでも目線は歩いてくる二人に向けたまま言う。同じように、ヴィータも前を見据えている。
それでも……「必要な犠牲」なんて、認めたくなかった。それが身内なら、尚更……

「だから…―――」















「―――必要な犠牲だと?笑わせんなっ!」
〈 ATACK RIDE・BLAST ! 〉

そんな叫びと音声と共に、銃声が街に響き渡る。そして火花が散るのは、目の前にいる“敵の足元”。
シャドームーンとアポロガイストは、それに対し腕を、マントを前に出し、火花の光を遮る。

あまりに急な出来事で、なのは達はポカンと呆けてしまう。
だが後ろから…コツッ、コツッというわざとらしい足音が聞こえ、思わず全員揃って振り返る。

そこにあったのは
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