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とある鎮守府の日常
手の届かない怪火
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その任務を下された時のことを思い出す。
 聞こえてくる荒々しい足音を意識の端に置きながら、不知火は感情を込めずに引き金に指をかける。

「敵は、沈めなければ」

――一体、何だったのだろうか

 結局自分は半端物だと不知火は思う。
 最後まで任されたものを貫けない。偉そうに語った口上すら、逃げ遅れた自分は全う出来なかったのだから。
 一瞬の轟音と、その後に来た音のない世界での衝撃。
 それを最後に不知火の知覚は途絶えた。









――何があっても生きろ。私は未熟だからな。それを最優先にしてくれよ不知火


 やっと思い出せた、最初の任務。
 あまりにも遅すぎたそれに、万の侮蔑を込めながら――
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