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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ここは海鳴、始まりの街 〜喫茶翠屋の喜劇編〜
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配していたのに・・・。

「こんにちは、士郎おじさん♪」

まずはヴィヴィオがお父さんに挨拶。お父さんも「いらっしゃい、ヴィヴィオちゃん」とにこやか。前にヴィヴィオを連れて来た時、お父さんのことをお祖父ちゃんと呼ばせるかどうかって議論になった。
その時はまだお父さんは若かった(今でも十分見た目が若いから、娘としてもかなり驚いてるんだけど)から、おじさんということになった。ヴィヴィオはお父さんとお母さんの作った料理が大好きで、海鳴に戻ったら絶対に食べたいって言うほど。

「はじめまして。私はルシリオン・セインテ――」

「なのはママ、ルシル“パパ”、早くっ」

ルシル君が初対面らしくお父さんに自己紹介をしようとしたところで、ヴィヴィオの一切の悪気の無い爆弾が投下された。ピシリと全てが止まる感覚。お父さんの顔が笑みのまま固まってる。ここでルシル君の表情が凍りついたのが見て取れた。私もきっとそう。これはまずい状況だってすぐに察した。

「あ、あのねお父さんっ、まずは話を――」

「パパだとぉぉぉぉーーーーーーーーッッ!!!?」

お父さんは私が説明する前に絶叫した。今日の翠屋は私たちのために貸し切ってくれていたおかげでお客さんに迷惑はかからない。かからないけど、ヴィヴィオがビクッとして、ルシル君が冷や汗を流してる。

「な、ななななのはっ!? パ、パパパパ、パパって何のことだっ?」

お父さんがルシル君の両肩をガシッと鷲掴んで、私を見ることなく訊いてきた。私がちゃんと説明する前に厨房から「あら、どうしたの?」とお母さんが現れた。よかった。お母さんが居てくれればお父さんの暴走を止めやすくなる。そう思っていたところに、

「誰が(なのは)の旦那だってぇぇぇぇーーーーッ!?」

「お兄ちゃんっ!?」

ドイツに居るはずのお兄ちゃんが扉を破壊しそうな勢いで入ってきた。私を始めとしてフェイトちゃん達をぐるりと見回して、お父さんに捕まってるルシル君をロックオン。そのままルシル君のところにまでズカズカと歩み寄っていった。

「いつからだっ? いつから妹とそう言う関係になったんだっ?」

「いや、まずは話を――」

「ダメだぞ、恭也。ここはきちんと男同士腹を割って話さないとな」

「痛っ? あの、すいません。指が肩にめり込んでいるんですけど?」

お父さんとお兄ちゃんに揉みくちゃにされていくルシル君。そこにフェイトちゃんから『なのは。なのはとルシルとヴィヴィオの関係を、士郎さん達に話さなかったの?』っていう念話が。私は『すっかり忘れてたよぉ』とちょっと泣きが入った返事をした。先にテーブルに座っているフェイトちゃんが、あちゃあ、とでもいう風に頭を押さえた。

「士郎さんっ、恭也っ。少しは落ち着いてっ」
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