暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Last Episode:
輝ける未来への道標
彼の選んだ決別の仕方
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。セインテスト君。本当に体は大丈夫? 私は医者だから何でも言ってね♪」

「そ、そうやで、ルシル君。みんな心配しとるんや。原因が体調やないんならええんやけど・・・」

シャマル先生とはやてちゃんにそう言われたルシル君は、「ふぅ」と小さく溜息を吐いた。高い天井を見上げて、ルシル君は喋り出した。

「・・・・・かった」

「え?」

ルシル君がボソッと何か言ったけど、聞こえなかったから訊き返してしまった。ルシル君は少し黙って、恥ずかしいのかそっぽを向いてまた口を開く。

「間に合わなかったんだ。障壁を展開するのが」

「あ?・・・・つうことは、だ。セインテスト、お前・・・ひょっとしてアレか」

ヴィータちゃんが口に運ぼうとしていた肉団子をポロっと落とした。ルシル君が何を言いたかったのか解った私たちは絶句。だってそれはルシル君の真実(つよさ)を知る私たちにとって信じられない現実。

「そうだよヴィータ。なのはを撃墜する前にザグザゲルによって自滅したんだよ、私は」

誰も反応を示さない所為かルシル君の頬が少し赤くなっていくのが判る。男の人なのにとても綺麗な白い肌と銀の髪だから余計に赤みが目立つ。

「えっと、その、ね。落ち込んじゃダメだよ? ルシル」

「そうだぞ。元は魔術師というものだったのが急に魔導師となったのだ。こういうことが起きてもおかしくはない・・・・と思う」

「別に落ち込んでなんか・・・いない」

落ち込んでる。絶対落ち込んでる。ガックリ肩落としてるし。フェイトちゃんとリエイスさんに頭撫でられても何も言わないし。というか二人とも。ルシル君の頭を撫でると、かえってルシル君、表情が暗くなって・・・。

「ぷっ・・・くくく、あははははははは! あの! あのセインテストが自爆!? ありえねぇ! あははははははは!」

「おい、ヴィータ。笑っては、くく」

「ちょっ、ヴィータちゃん! シグナム! 笑っちゃルシルさんが可哀想ですよ!」

ヴィータちゃんはテーブルをバシバシ叩いて涙を流しながら爆笑。シグナムさんもルシル君から目を逸らしてヴィータちゃんを窘めるけど、どう見ても肩を震わして笑いを我慢してる。リインが気遣わし気にルシル君をチラチラ見ながらヴィータちゃんとシグナムさんを窘める。そしてさらに沈むルシル君。もう見てられないよ(涙)。

「ルシルさん。あたしのハンバーグあげるよ」

「あ、じゃあわたしもあげるですよ♪」

リインとアギトが、自分の皿からハンバーグをルシル君の皿に移した。ヴィータちゃんがリインに「いいのかよ、好物だろ?」と訊くと、リインは、「いいのですよ。ルシルさんが喜んで元気にってくれるなら♪」すっごく可愛い笑顔で答える。
だけど目が、視線がルシル君の皿に移った
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