第七十話 大晦日その一
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第七十話 大晦日
冬休みは進み大晦日になった、その大晦日にだ。
琴乃達プラネッツの五人は景子の家である神社に集まっていた、そのうえでまずは蕎麦を作ってだった。
食べていた、琴乃はざるそばを食べながら景子に尋ねた。
「ねえ、このお蕎麦だけれど」
「どうしたの?」
景子もざるそばを食べつつ応える。五人共ざるそばである。
「このお蕎麦まずいとか?」
「いやいや、美味しいわよ」
美味しいかというとそちらだというのだ。
「かなりね」
「そうよね。今年のざるそばは大成功よ」
「ただね。このコシは」
蕎麦をつゆに漬けて食べて言う琴乃だった。
「手打ちよね」
「ええ、十割そばよ」
「そうよね、かなり違うわね」
「実は商店街のお蕎麦屋さんから頂いてるのよ」
「商店街の」
「そう、駅前の商店街のね」
そこにある店からだというのだ。
「頼んでなのよ」
「そうだったの」
「あそこは手打ちだから」
「コシが違うのね」
「そうなの。この町には二つの商店街があるけれど」
駅前の方の店だというのだ。
「もう一つのお店はお蕎麦屋さんっていうよりうどん屋さんだからね」
「おうどんは新年だからね」
何時の間にかそうなっている、蕎麦とうどんどちらがいいかという問題は日本人にとっては難しい問題だが気付けば新年にうどんも食べる様になっている。
「あそこは新年に食べに行こうって思ってるのよ」
「おうどん身体温まるしね」
「そうそう、だからね」
そのこともあってというのだ。
「あそこは新年よ」
「行くのね」
「それも力うどんね」
餅が入っているうどんだ、正月に餅は定番と言っていい。
「あと晩はおせち」
「そうそう、おせち持ってきたから」
「私も」
「私もよ」
「あたしもだよ」
琴乃だけでなく里香と彩夏、美優も手を挙げてきた。勿論三人もざるそばをすすってその味を楽しんでいる。
「持ってきたから」
「お母さんが作ってくれたのをね」
「だから楽しもうな」
「勿論私のお家のもあるから」
景子もだった。
「皆で食べ合いになるわね」
「そうよね。それぞれのおせちをね」
「今はお蕎麦を食べてね」
景子は蕎麦を食べ続けながらまた言った。
「新年は新年でね」
「おうどんやおせちを楽しむのね」
「お酒もね」
これも忘れてはならなかった、酒もだ。
「今もあるから」
「あっ、あるの」
「出す?お酒」
「ええ、あったらね」
もう出さなくては駄目だとだ、琴乃は答えた。
「私も持って来たから」
「もう飲む気満々ね」
「大晦日だからね」
それに新年だからだった。
「飲まないとね」
「それはそうだけれどね。最初から飲むつもりなのね」
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