とある村での出会い。
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くと、劉備は子供達と遊びに行く。
その光景を村人達は暖かく見守っていた。
劉備はかなり天然でドジっ子だ。
それがさらに周りを笑顔にしていった。
俺はそれを見て確信した。
夜になって、師匠が帰ってきた。
予想していたより賊の数が少なく、早めに壊滅させる事ができたらしい。
村の人達は師匠にお礼を言い、その夜は宴のように騒いだ。
「劉備。」
その輪から離れるように劉備は座っていた。
俺はその隣に座る。
「関忠さんの師匠さんは強いですね。」
「あの人から色々教えて貰ってこの乱れた世界を少しでも良くするように、俺も頑張るつもりだ。」
「私も力があればな・・・」
少し落ち込んでいる劉備。
俺は劉備の頭に手の乗せて撫でる。
「君は力を持っているよ。
俺より、強いものを。」
「えっ?」
「君は皆を笑顔にさせる。
その笑顔に、君自身に他の人はついて行く。
君の持つ強さはこれだと思う。
これは望んで手に入るものじゃないからな。」
俺は立ち上がり、木刀を抜き高らかに剣を振り上げる。
「俺は強くなる。
大事な人を守れる強さを手に入れる。
だから、劉備。
君も強くなれ。
武としての強さじゃない。
君自身が強くなるんだ。
そうすれば周りはついてくる。」
あの劉備にこんな事を言っても仕方がないと思う。
けど、言いたかった。
俺の言葉を聞いた劉備は少し驚いたが、すぐに笑顔になって立ち上がる。
それを見て俺は劉備に言う。
「劉備、俺の真名は縁だ。」
「どうして真名を?」
「これから同じ高みを目指す者同士、俺達は友だ。
なら、真名を預けるべきだと俺は思ったんだ。」
「それなら、私は桃香って言います。」
「改めて桃香。
明日には俺はこの村を出て行くことになる。
けど、俺と君が同じ所を目指すのならきっと会える。
再会する時までにもっと強くなるよ。」
「私ももっと強くなります。
私自身の強さを強くするために。」
そう誓い合い、俺達は宴を楽しんだ。
次の日の朝。
俺と師匠は村人達に挨拶をして村を出て行く。
桃香と俺は最後にもう一度握手をして、村を出て行くのだった。
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