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我が剣は愛する者の為に
とある村での出会い。
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りる。

「あ、あなた達は?」

助けられた村人は戸惑いながらも師匠に聞く。

「賊に襲われているのだろう。
 手を貸そう。
 縁、やれるな?」

「はい!」

「今のお前の実力なら賊程度の腕なら問題ないはずだ。
 自信を持て、されど慢心はするなよ。」

そう言って師匠は村を襲っている賊達に向かって走り出す。
木刀を抜刀して、できる限り村人を助ける為に走り出す。
すると視界の端で、幼い子供を引き連れて逃げようとしている女の子の姿が見えた。
足を止めて、その方を見ると後ろから二人賊が追いかけていた。
迷うことなく、俺はそっちに向かって全速力で走る。
子供を追い詰める為にゆっくり走っているおかげなのか、すぐに追いつく事ができた。
後ろにいる賊の後頭部に向かって渾身の一撃を加える。
後ろからの奇襲に全く対応する事ができずに、意識を失って倒れる。
仲間が倒れた事に気がついて、前にいた賊がこちらに振り向く。

「テメェ、よくもやりやがったな!!」

「お前達賊も罪のない人の命を奪っているだろうが。」

「黙れ、クソガキ!!」

剣の抜いて、俺に向かって剣を振り下ろす。
しかし、速度が圧倒的に遅い。
師匠や黄蓋に比べれば遅すぎる。
余裕でかわす事ができた俺は、カウンターで賊の胴に向かって打ち込む。

「ぐふぇ!!」

さらに追撃で、左の肘鉄で顎を打ち上げる。
賊は仰向けに倒れ、気絶した。
周囲を警戒しつつ、追い駆けられていた子供達に近づく。

「大丈夫か?」

俺の言葉に子供達は頷く。
彼らを引き連れていた女の子は俺に近づいて頭を下げる。

「助けていただいてありがとうございます!」

髪の色はピンク色で、緑の服を着ている。
肩まで伸びた髪は鮮やかで、女の子自身も可愛らしい人相をしていた。
俺は村の方に視線を向けると、悲鳴などが聞こえなくなっていた。
師匠が全部討伐したのだろう。
俺は安全である事を伝えてると彼女達は安心した表情を浮かべた。
子供達を引き連れて、村に戻るとその子達の親が子供達に駆け寄り抱きしめる。
どうやら騒ぎのせいで逸れたようだ。
しかし、子供達を引き連れていた女の子に駆け寄る親が居ない。

「君は親はいないのか?」

俺が話しかけると軽く笑みを浮かべて、女の子は言う。

「うん。
 私の親はこの村に私を預けて、どこかに行っちゃったらしいの。」

「そうか。」

捨てられたのとは多分違うだろう。
そう思いたい。
その話を聞いた俺は少し暗い雰囲気を出していたのか、女の子は話しかけてきた。

「それより、さっきはありがとうございます!
 私は劉備、字は玄徳。」

「・・・・・」

驚きを隠せなかった。

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