プロローグ
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の前で両手を握り、
「白蓮様! ああ、やはり私にとっての白馬のお姫様はあなただけですもはやお声を掛けられただけで口づけをするまでもなく目が覚めて着いていってしまうでしょうでも口づけしてくださったなら私はもう死んでもいいいやだめです死んでしまったら白蓮様のお顔が毎日確認できなくなりますああでもその甘美なモノを体験してみたい今度朝早くに起こしに行くついでに奪ってしまいましょうそうですねそうすれば私のこの想いも白蓮様に伝わる「状況! 説明! しろ!」ふぁっ! ありがとうございます!」
言葉のマシンガンと呼べる程に早口で喋りだし、途中で馬に乗った女の子に止められる。
――しかしなんだこの子。速さに命をかけていたアニキみたいに超絶早口すぎて聞き取れなかったんだが……。
「暴漢、襲撃、対応済」
――今来たから三行で頼むってか? 全く意味が分からんぞ。
「……お前も暴漢か?」
たった三つの言葉で伝わったのか馬の上で警戒しながらこちらに問いかける女の子。年の程は分かりにくいがその子も美少女で、どこか威厳溢れる凛とした顔に俺は少し見惚れてしまった。
「……いえ、俺は寝ていた所に暴漢が吹っ飛ばされてきて起きたのですが、起きてあたりを確認しました所、その子に暴漢と間違われまして揉めていた所です。暴漢の仲間ではない証明のため彼女に武器を渡しました」
一応誠実さを見せる為に敬語で説明を並べてみたが、信じては……貰えないだろう。
「牡丹、本当か?」
彼女が問うと、牡丹と呼ばれた少女は口を押えてぶんぶんと何回も頭を縦に振った。奇声を上げていたらどこかの非公認のご当地キャラみたいだなんて考えてしまい少し吹き出しそうになる。
「落ち着け牡丹。部下の非礼申し訳ない。私は公孫伯珪。ほら、お前も名乗れ」
「信じちゃうんですか!?」
「仲間が動いている時に寝てるような賊がいるか! それにお前相手に武器を渡すくらいの胆力を持つ人なら賊になど堕ちないだろう?」
「あ……さすがは白蓮様! その明晰な頭脳もやはり私が一生かけて仕えるべき「自己! 紹介! 速く!」ありがとうございます!」
何故か礼を言い口を押えて黙ったがそれじゃ自己紹介もできないだろうに。無言で公孫賛が睨むと彼女は悦に浸りながらも手をどけて自己紹介を始めた。
「……ぷはっ。関士起です。いきなり斬りかかってごめんなさい」
言うなりすっと頭を下げて謝ってきた。
――やっぱり素直な子なんだな。
「士起さん、気にしなくていいよ。こんな世だし、こんなとこで寝てた俺も悪いしな。申し遅れました俺は徐晃、徐公明と申します。気ままな旅人です」
こちらも倣って、違和感しかない自己紹介をすると馬から降りた伯珪さんは一つ頭を下げた。
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