第二十九話 木山先生と普通に会話
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そういう意味で言ったわけでは……」
俺の言葉に御坂さんがうろたえる。
「ああ、気にしていないし言いたいことは分かっている。というか、私もなぜ君が私の論文を読む必要があったのか気になるんだが、どうなんだい?」
木山先生はやはりいい人のようで、御坂さんにフォローを入れている。そして、木山先生に尋ねられたのでここからが本題である。ただ、御坂さんには“レベルアッパー”という単語を聞かせるわけにはいかないので、ここからは慎重に言葉を選ぶ必要があるだろう。
「まぁ、何というか……ぶっちゃけて言いますと、脳に過剰演算をさせるような実験の被験者にされまして、脳のオーバーヒートを防ぐにはどうしたらいいのか探してました」
この話の元は、最初に暗部活動をした時、施設から子供達を助け出したことだったりするのだが、大半は俺の作り話だ。
「ちょっとっ! どういうことよっ!?」
「ほお、そんな実験をしているところがあったのか」
御坂さんと木山先生がそれぞれ反応を示す。学園都市の闇を知らない御坂さんには、今後闇に触れるような事件に関わる時の為に、この辺で少し闇に関わるような話をしておいて、実際に関わってしまった時のショックを少しでも減らしておこうと思ったのだ。
「他の論文なんかも色々読んで何とか対策は出来たんで今は大丈夫だよ。俺の場合は何も知らされてなくて実験に参加させられたけど、他の人は危険性まで充分承知して参加してたようだしね」
「な……何やってんのよ!」
俺は御坂さんに対して説明をしていく。その際に木山先生の反応を確認するが、特に変化は見られない。
「俺はともかく他の人は全員レベル0だったからなぁ。危険性を知っていても実験に参加してレベルを上げたかったんだろうね」
「……」
俺の話に御坂さんは言葉を失っていた。
「それで、君は大丈夫だったようだが、他の子達はどうなったんだい?」
「そうですね、何人か倒れて病院に運ばれたとは聞いてますけど、後は多少能力の上昇が見られた程度でレベルが上がるまでには至ってなかったと思いますよ」
御坂さんの発言がなかったこともあり、木山先生が尋ねてきたので俺は答える。ただ、あの施設から助け出した子供達がその後どうなったのかは俺も知らないので、俺の答えはかなり適当である。というか、あの施設に居た子供達が自分から進んで実験を受けようとしたわけではないだろうから、作り話の部分は最初からかなり適当だったりするわけだが……。
「そこまでしてレベルを上げたいものなのかい?」
「そりゃー上げたいでしょ。勉強の成績とは違って、レベルによって生活水準が圧倒的に変わりますからねー。まー、それだけじゃなくてレベルそのものが、身分制度の階級を表すぐらいに感
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