第二十九話 木山先生と普通に会話
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対策などが特集されていた番組を見てから、それを元にして自分なりに考えた理論である。
「ほぉ、君もなかなか考えているんだな。確かに水分吸収の効率を考えれば君の意見も頷ける」
「っていうかアンタ、なんでそんなに詳しいのよ!?」
「えー、普通にテレビ見てたらそんな番組やってるでしょ。『おもいきったテレビ』とか『発掘あるある大百科』とか『世界一受けたい講義』とか見てたら自然に知ってたけど……」
木山先生に感心されながらも御坂さんには問い詰められたので、俺は普通に答えておく。元の世界での情報とこの世界のテレビ番組で見た情報に、それほどの違いがなかったのは助かった。
「私もたまに見てるけど、そんなこと覚えてないわよ!」
「俺だって自然に覚えてただけで、覚えようと思ってテレビ見てるわけじゃないし」
俺も別に完全記憶能力を持っているわけではないので、テレビで見たことの全てを覚えているわけではない。ただ、何が基準で覚えている情報と覚えていない情報の線引きがされているのかは自分でも分からないのである。
「君はそういう番組が好きなのかい?」
「まー、そうですね。ところで、木山……教授? は論文とか書かれてますよね?」
木山先生に聞かれて答えるが、この辺で少しレベルアッパー関連の話に持って行こうと思う。木山先生の反応で俺のことをどこまで把握しているのかを確認するためである。
「教授という立場ではないから、そうだな、先生……ぐらいにしておいてもらえないだろうか。それから、論文は当然書いているよ。これでも研究者だからね」
一応、木山先生というのはアニメでの呼び名だったので俺は教授と呼んでみたのだが、木山先生自身が木山先生と呼ばれたいようだ。特に「先生……」と言った時の表情はあの子供達の先生をやっている時のようだった。そして、これで晴れて「木山先生」と呼ぶことが出来るようになったわけである。
「確か、俺が見た論文の中に木山っていう名前で出されてるものがあって、しかも名前の読み方が分からなくて“はるなま”って読んでたんですよね。もしかしたら“はるみ”って読むのかなと思いまして」
恐らく木山先生の“春生”という名前は知らない人から見れば簡単には読めない名前なのではないだろうか、ということで俺はそこから話題を振ってみたわけだ。
「ああ、それなら確かに私の論文で間違いないだろう。しかし、君は私の書いた論文まで読んでいたのか」
「アンタ、何でそんなもん読んでるのよ!?」
話題として論文から入り、木山先生には俺が論文を読んだことを知ってもらったわけだが、そこに御坂さんからのツッコミが入った。
「うわぁ、書いた人の目の前で“そんなもん”なんて良く言えるねー」
「えっ!? いや、
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