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打球は快音響かせて
高校2年
第三十六話 当事者と傍観者
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いんだ、ただバカなだけで……じゃ、俺もう行くよ。さすがに怒られちゃいそうだし。見ててくれてありがとうな。」

翼は慌てて葵の機嫌を取り、チームに戻っていった。葵は少し物足らなさそうな顔をしたが、しかしどうしようもない。最後に精一杯の笑顔を見せて、翼に手を振った。

「それじゃあ葵さん、彼氏は借りていきますよー!」

戻ってきた翼の背中をバシバシと叩きながら、枡田が大きな声を出した。

「また実家帰った時に可愛がっちゃってな!」

翼にヘッドロックをかけながら、鷹合が笑う。

「……不純異性交遊は控えるんだぞ」

宮園がそっぽを向きながら、ボソボソと呟いた。
葵はクスクスと笑って、全員に手を振った。

(……当たり前やけど、翼にも、あっちの仲間がちゃんとおるんね……)

葵は少し寂しい気もしたが、素直にその事を喜ぼうとした。それは翼を水面に行かせた時点で、ある意味宿命だった。翼の頑張りを、かなり引いた所からでないと見守る事ができないという事は。












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