第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十話 次の舞台へ
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で涙を流す。僕はそんな天魔を見ながら話の概要を纏めて行く。
恐らく天狗の里を襲ったのは妖怪狩りの連中で百鬼丸と繋がりがある可能性が高い。百鬼丸は妖怪も売り物にしていた柳杉屋と繋がっていたから他にも似た様な連中とも繋がりがあるのだろう。だとしたら今回の件は商品の捕獲なのだと思う。問題はそこに居た神が何者なのかと言う事だが、こればかりは分からないな。
「攫われたって事は生きている可能性の方が高い。僕達は今君達の里を襲った連中かもしくは関わりの在る連中を追っているんだ、どう天魔僕達と手を組まないかい?協力出来れば攫われた子供達を取戻せる可能性が高くなるよ」
「そうだね、あたし達にとってもあんた達にとっても悪い話じゃない筈だよ」
僕と神奈子の言葉を聞いて天魔は目を閉じ暫し黙考し、目を開き布団の上で正座をすると僕達に向かって深々と頭を下げた。
「……その申し出ありがたく受け取らせて頂きます。そして此処に一族の長として貴方方と盟約を結びます。今はまだ傷付いた翼なれど傷が癒えし時は我等の力を御見せしましょう」
「まぁ其処まで硬く構えなくてもいいけどね、とりあえず郷の新しい住人として歓迎するよ。これからよろしく天魔」
そう言って僕が天魔に右手を差し出すと天魔は優しく手を合わせながら、
「はい、此方こそよろしくお願い致します、盟主殿」
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
何処とも知れぬ広大な石造りの空間を所々に置かれた松明の火が照らす。その空間の奥には一つの豪奢で大きな椅子がまるで王座の様に置かれ、其処に一人の鬼が腰掛けていた。
椅子に腰掛けている鬼、百鬼丸は先程から配下の妖怪が口にしている報告内容に苛立ちを募らせ、遂に酒を飲んでいた大きな杯を力任せに床へと叩き付ける。その音に報告を行っていた妖怪は口を閉じ空間に静寂が訪れた。
「殿朗の野郎!よりにもよってあそこに逃げ込みやがって!!折角手に入れたもんが無駄になっちまったじゃねーか!!クソが!!」
静寂を破壊するかの如く怒声を上げる百鬼丸に配下の妖怪は震え上がる。そこに突如少女の声が響き渡った。
「ケヒ!ケヒヒヒ!マヌケマヌケ!藪ニ手ヲ突ッ込ンダラ蛇ニ噛マレタ!!余計ナ事ヲスルカラ痛イ目ヲ見ルンダ!!バカバカアホ!ケヒヒヒヒヒ!!」
「うっせーぞ無有!!ぶっ殺されてーか!!」
姿を見せず声だけを響かせる無有に百鬼丸は怒声を飛ばすがその声は空間の闇に消えていくだけだった。
「おやおや、荒れてるねー百鬼丸♪」
唐突に響いた声に百鬼丸は特に驚く事もせず視線だけを声の主に向ける。視線の先には闇すら染め上げる様な肩まである純白の髪を後頭部で一纏めにし青い詰
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