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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第348話】
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め寄ってくる。


「……そうだな、うっかり口を滑らせたし……本当なら明日説明する筈だったが今説明するよ。 えと――――」


 何故俺が転入生に会いに行ったのかをシャルへと説明する。

 最初こそ不機嫌で虚ろな眼差しだったものの、その転入生が母さんの養子になり、俺の義理の妹になること、それと改めて専用機の事等を話すと理解したのか――。


「そ、そぅだったんだ……あぅ……ヒルト、ごめんね……? 疑ったりして……」


 申し訳なさそうに謝るシャル――一体何を疑ったのかが気になるが……追求が怖いのでしないでおく、触らぬ神に祟りなしだ。


「いや、いいんだ。 俺こそ黙ってて悪かったな?」

「ううん、事が事だもん。 黙ってて普通だよ? ……ぼ、僕こそヤキモチ妬いちゃって……」


 顔を俯くシャルだが、耳まで赤くなっていて非常に可愛く見える。


「大丈夫だから気にするなよ? ……それよりも制服ありがとうな? 洗濯してくれたんだろ?」

「え? ぅ、ぅん。 一応ね♪ えへ♪」


 そう言って制服を手渡すシャル――仄かにシャルの着けている香水の香りが鼻孔を擽った。


「じゃあそろそろシャルは戻らないとな? いつまでも部屋の前に居たら怒られるぞ?」

「そ、そうだね。 ……ヒルト、キスして?」

「……なんですと」


 周囲を見回すとこの時間誰も居ないから良かったものの、訊かれていたらあっという間に噂が駆け巡るからな。


「……駄目……かな? 少しだけでいいんだけど……」


 上目遣いで見上げるシャル――何だか全員に言えるが、キスの要求が多くなってきてる気が……。

 ……不意に美冬とのキスを思い出し、顔に熱を帯びるのを感じる。

 ……シャルとキスしてさっきのを忘れる――という理由でするのは悪い気がするが……既に瞼を閉じてキスを受け入れる体勢になっていたシャルの唇にそっと口付けを落とした。


「ん……えへへ……ヒルト、ありがとう。 お、おやすみなさいっ」


 脱兎の如くその場を後にしたシャル――一応再度周囲と曲がり角等を念入りに調べ、誰も居なかった事を確認すると俺は部屋へと入っていった。

 ……一日キスしてばかりだった気がするな、振替休日。

 昨日はあんな事件があったのに俺も呑気なのかもしれない……。

 ベッドに入ると、身体を伸ばしてそのまま俺は眠りについた。
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