最終話「麻帆良祭〜最後の分岐点〜」
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して納得がいったように小さく頷く。
「なるほど。流石に龍宮と茶々丸をやっつけただけあってその戦闘力は凄まじいようネ」
「……まぁ、不意をついだだけだが」
「ふっ、あの二人から不意をつくだけでも大したものヨ?」
――謙遜は良くないね。
呟き、言葉を続ける。
「だけど、それでも私には勝てないヨ」
手に取り出したのは強制時間跳躍弾。
銃として撃ちださずとも効果を得るその汎用性は、確かに超自身の時間跳躍と組み合わせれば無敵を誇るだろう。
悠然と微笑む超に、タケルは小さな悪戯をする子供のような笑みを。
「さて、どうだろうな」
「いつまで笑っていられるカナ?」
超が軽く目を閉じ、強化服の背部に設置されたカシオペアが一瞬だけ唸りをあげる。
そして。
彼女は確かにその場から消え去り、それと正に同時。タケルがいたはずの真後ろに現れていた。
――そう。
タケルがいたはずの場所に。
だが。
「いない?」
どこを見回しても、彼の姿はない。
「上カ?」
それでも、いない。
それは本来ありえない。超が時間跳躍により消えてタケルの背後に現れたのはまさに同時のタイミング。
どこかに逃げる時間も隠れる時間も。いや、そもそも移動する時間すらない。
「……?」
後ろで見ていた葉加瀬も超と同様に首を傾げ、「マズ……!!」超が呟く瞬間だった。
「チェックメイト」
「え」
葉加瀬の真後ろ。
気付けばそこにいたタケルは一切の容赦なく、いつしか手にしていた強制時間跳躍弾を葉加瀬の背に。
「あ」
呆然とした呟きがまるで空気の抜ける風船のような色で残り、褪せていく。
「超さん、ごめんなさ――」
葉加瀬もまた未来への波へと呑まれ、この時間この世界から消えた。
「……な」
何とも、呆気なく。
長年にわたって貯めこまれていた彼女たちの計画も、今となってはほぼ壊滅。たった一人のイレギュラーが全てを覆していた。
「時間跳躍のときに一瞬でも目を閉じたのが失敗だったな」
「……」
確かに、それは超のミス。だがそれは超からしてみればそれはある意味では仕方がないというものだ。
魔法も気も使えないということはもちろん、調べが済んでいた。それでも気を抜いてはならない相手だということも彼女なりわかっていた。
だが、それでも既に格闘で打ち勝ち、時間跳躍という絶対優位に立っていた彼女に、そんな油断すらしないでおくことなど、それこそ場数を踏んでいなければ不可能だ、
まさか姿を、しかも一瞬で消すことが出来るだろうと誰が思うだろうか。
「俺の狙いに気付いたの
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