暁 〜小説投稿サイト〜
Re:ひねくれヒーロー
第一部
死と共にはじまるものは、生である
人間は自分の知っていることなら半分は信じる
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ツッコミたいことは多い
だがそれよりも・・・

「抱きしめるどころかサバ折りに進化していくその行動を止めろ!!」

くの字に曲がり始めた体が限界を示すようにボキボキと鳴り散らす
道行く人々、特に老人が無事で良かったですのーなどと声をかけることがまた気に食わない

「しぬ!比喩表現じゃなくて死ぬ!モツでる、吐血した!!」

叫んだ拍子に溢れ出る血が自来也の髪を染めた
それでも気にせず抱き締め上げられる
ふざけるなジジイ 
そのまま数分はサバ折りされたままだった

「死にかけてたお前が無事に自力で歩けていたことが嬉しくてのぉ・・・」

拘束から解放され、船着き場から移動し始めた自来也は言い訳がましく呟いた
吐血して失った分を補うように増血丸を貪り食いながら聞き流す
そりゃ、死にかけてたなら心配・・・するのかな・・・イマイチ分からない

「ここから木の葉まではわしが連れていくからの
 さぁおぶされ」

町の門につくなり俺の前にしゃがみこみ、背に乗るよう促される
だから木の葉云々の試験はどうしたってんだよ
渋々背中に体を預け、首元に手をまわして固定する
それを確認して自来也は忍者的スピードで走り始めた
サラマンダーよりもはやー・・・やっぱやめよう

周囲の景色が目まぐるしく変化し、認識できるのは色ぐらいだった
まるで溶けて行くような緑色に意識が飛びそうになり気を引き締めた
・・・そういえば、引っかかっていたことがある

「おいジジイ、なんで俺があの港に来るって分かった?」

手に微かな身震いの振動が伝わる
つばを飲み込んだ感触まで伝わってくる

「・・・んん、雷の国から来る船だったらあの港が一番多いからの、ヤマカンがあたったわい!」

誤魔化すような、そんな声色
ヤマカンのあたりでしゃべるのが早くなる
・・・雷の国から、ねぇ?

「・・・・・・なんで、俺が雷の国から来るって確定してんの?」

陸路から来る可能性も、あったよな?
耳元でそう呟く
感情の乱れを感じ取り、狐火が発現する

「・・・・・・・・・いや、その、湯隠れから・・・だとそう考えるのが一番で・・・

「ジジイ」

 ・・・すまん、尾行しとった」

首筋に大粒の冷や汗をかきながら誤魔化そうとしたジジイの耳元に、狐火を押し付けた
痛みはさほど感じていないようだが呆気なく答えられた

「デイダラとか角都のときも、見てたのか?」

蝦蟇に試験だと言われたときから見られていたのだろうと予測する
角都のときは助けてもらいたかった
本気で

「ん?あの芸術家気取りの小僧と・・・お前を投げ飛ばした男か?」

そこまで見てたら助けてくれ

「あいつらS級犯罪者だぞ、助けろよ!あとあい
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