第一部
死と共にはじまるものは、生である
人間は自分の知っていることなら半分は信じる
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あいつただの変態か紳士じゃねーか
「なるほどねぇ、いやね、増血丸を知ってる子供って中々いないからね
・・・以前にも増血丸を使ったことが?」
そうか、増血丸って一応忍具だから一般人は知らないはずなのか
ということはユギトの目がおかしかったのもこれのせいか
他里のスパイだと思われたか?
「何十回と使用してます
増血丸だけじゃなくて兵糧丸も食べさせられましたね
薬だけじゃ栄養補給できないし血も増えないし・・・知り合いの医療忍者の方に術をかけてもらったこともありますね」
ひーふーみーと増血丸などを使用した記憶を数えだす
両手で数えきれないぐらいで医者の顔色が変わった
「・・・よ、よく生きてこれたね・・・」
純粋に心配されてしまった
拷問の傷も大体癒えてきているため、尾獣効果で生き延びているのだと思う
根本的な体質改善には繋がっていないけど
船着き場が見えた
「・・・それじゃ坊主、気をつけて旅をするんだよ
危ないと思ったらすぐ何処かの病院に駆け込みなさい」
「はい、肝に命じます
あのくのいちさんと出会うことがあればお礼を言っていただけませんか?」
きちんとお礼を言えなかったのが気になっていてと、言葉を濁しながらいうと医者は黙って頷いた
船着き場と船を結ぶ木の板を登り船員にチケットを見せる
部屋のかぎを貰い、振り返って医者に手を振った
◆
「・・・どうやら、本当に忍者ではなかったようですね」
医者は出航した船が小さくなるまで見つめていた
ポツリと溢した呟きに反応して女が現れる?二位ユギトだ
「ただでさえ情勢の悪い昨今
雲と揉めた木の葉へ行きたがる子供まで監視が必要だなんて、な」
「そんな事言いだしたらきりがないでしょうユギト様」
「そうだな・・・入国者の監視なんて嫌な任務ね・・・」
◆
晴れることなく暗雲が立ち込める大海原
嵐が絶え間なく続き、船員たちにも支障を来していたが、なんとか火の国の港へたどり着いた
正直に言おう
雷の国で入院すべきだった
船医はもうすぐ火の国へ着くと言った記憶はあるが、病室のベッドに身を任せたまま日数など感じられない
吐き気など通り越し、苦い液が口内を蹂躙した
どこからともなく、港についたことを知らせる声が聞こえて来たときには喜ぶ気力もなかった
陸にあがり、新鮮な空気を吸えたおかげか頭がすっきりしていた
先程までは??
「コンよ、よくぞ無事に火の国まで来れたッ
頑張ったぞ!」
俺を抱きしめ号泣するエロジジイのおかげですっきりした頭も頭痛に悩まされている
・・・木の葉で待ってるんじゃなかったのか、なんで港にいるんだと
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