第百話 加藤との話その二
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「怪物とな。剣士として闘ってないとストリートファイトとかだよ」
「そちらで、ですね」
「ああ、闘ってるよ」
そうしているだろうというのだ。
「それがあいつの楽しみだからな」
「それマガバーンさんにも言われました」
上城は中田の言葉を受けてこう返した。
「あの人にも」
「だろうな、どう見たってな」
「加藤さんは戦闘狂とも言われました」
「そうだよ、あいつは戦いで何かを得るとかは興味がないんだよ」
「あくまで戦うことがお好きなんですね」
「そうなんだよ、結局のところはな」
中田は読んでいる顔で話した、加藤の考えを。
「それが好きな奴なんだよ、病的な位な」
「そうなんですね、やっぱり」
「願いもあれだろ」
「はい、この戦いが続くことです」
「まあ女神さんは力が集まれば終わらせたいみたいだけれどな」
ここで加藤と声の考えに違いがあった、だがそうしたことがあっても加藤はあくまで戦いを求めるというのだ。
「この剣士の戦いを続けたいんだよ、あいつは」
「楽しいからですね」
「悪意はないぜ」
加藤にだ、それはないというのだ。
「ただ純粋にな」
「戦いをですね」
「それをしたいだけだからな」
「セレネー女神が戦いを終わらせようと思ってもな」
それでもというのだ。
「あいつは無理にでも願ってな」
「戦い続けるんですね」
「正直俺達がいなくてもいいんだよ」
他の剣士達すらだ、加藤にとっては究極的に言えば不要だというのだ。
「怪物でもな、相手が」
「いればいいんですね」
「そういう奴なんだよ」
「純粋ですね、何か」
「ああ、確かに奴は純粋だよ」
その通りだとだ、中田は上城に答えた。
「それもかなりな」
「純粋に闘いが好きなんですね」
「たまにそういう奴がいるんだよ」
「戦闘狂ですか」
「ああ、闘うことが趣味どころかな」
それで済むレベルではないというのだ、加藤は。
「生きがいなんだよ」
「そうした人ですね」
「それだけに強いぜ」
「好きこそ、ですよね」
「ああ、好きこそものの上手なれだよ」
この言葉がだ、加藤にもそのまま当てはまるというのだ。
「そういう奴だからな」
「強いんですね」
「最強だよ」
剣士の中でもというのだ。
「今の時点じゃな」
「その人に勝つには」
「あいつより強くないとな」
「駄目ですね」
「結局あれだよ、力も技も運も含めてな」
「全部入れてですね
「強いかどうかだよ」
そうした問題だというのだ、闘いは。
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