第六十九話 十二月になってその十一
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「じゃあ今からサラダにドレッシングかけて」
「ローストチキン食べて」
「ワインのコルクも開けてね」
「ケーキも食べて」
「楽しくね」
「ああ、そうしような」
こう四人に応えてだった、そのうえで。
五人はオープンの中から二つの大きなローストチキン、鶏をまるごと焼いたそれを出してサラダにドレッシングをかけた。ケーキも箱から出してだった。
ワインのコルクを抜いた、それで言う言葉は決まっていた。
「メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
こう五人で叫んで赤ワインが入っているグラスを打ち合わせてだった、そのうえで。
五人でそのワインを飲み早速サラダや鶏肉を食べだす、琴乃は太腿の辺りを取ってその肉にかぶりつきながら言った。
「いや、美味しいわ」
「ああ、そうだな」
美優は手羽先のところを食べながら応える。
「仕込んだかいがあったよ」
「あっ、お腹の中にお野菜入れてたのね」
「ちょっとな」
見ればだ、ローストチキンの腹の中には野菜がたっぷりと入れられていた。人参に玉葱、ブロッコリーにセロリ等が細かく刻まれてあった。トマトもある。
「入れてみたんだよ」
「そうだったのね」
「ローストチキンにさ、お野菜も入れたらいいと思って」
「仕込んでおいたのね」
「そうだよ。美味いか?」
「ええ、いけるわ」
琴乃はその野菜達をスプーンで出した、それを皿に取って食べて言うのだった。
「これもね」
「だといいけれどさ」
「かなり細かく刻んだのね」
「ひき肉みたいな感じでさ」
実際にそうしたというのだ。
「刻んで入れたんだよ」
「そうなのね」
「いや、野菜も食わないとさ」
この辺り料理に造詣の深い美優らしかった。
「駄目だと思ってさ」
「サラダだけじゃっていうのね」
「そうだよ。入れて正解みたいだな」
「ええ、正解よ」
そう言っていいとだ、琴乃は実際に答えた。
「これいけるわ」
「そうか、それじゃあな」
美優は鶏肉をナイフで切り取って自分の皿に入れてフォークで食べつつ満面の笑顔で話した。
「皆で食おうな」
「とりあえずサラダとローストチキン食べてからよね」
里香はワインを飲みつつ言った。
「ケーキよね」
「ケーキは全部食ってからにしような」
美優はその里香にこう答えた。
「とりあえずは」
「そうね、それじゃあね」
「皆どんどん食ってくれよ」
サラダにトーストチキンを指し示しながらの言葉だ。
「このままな」
「結構量あるけれどね」
「それでもね」
「まずは全部食べて」
「それからね」
こう話してだ、まずはサラダとローストチキンを赤ワインで楽しんだ五人だった。そしてそのどちらも食べ終えてからだった。
美優は五人で座っているテーブルの真ん中に
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