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魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『第四十一話』〜強くなりたい〜
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クロノside

「ったく…『襲われた』って聞いたから、急いで来たんだぞ? 全然元気じゃないか」

「にゃはは……」

「心配掛けてごめんね、拓斗」

「別に構わない。無事だったのならそれでいい」ナデナデ

「う、うん…///」

「ありがとう…///」


 拓斗はそう言ってなのはとフェイトの頭を撫で、撫でられている二人は顔をほんのりと赤くして礼を言った。

 今僕たちはアースラの医務室にいる。
 なのは達が強襲にあったと連絡して、彼は20分と経たずにアースラへ来た。
 その時の表情は焦りの不安でいっぱいだったのだが、医務室に入った瞬間、いつも通りの感じに戻っている。

 先程まではあんな顔してたのに。素直じゃないというかなんというか……彼の新しい一面が見れた気がするな。今度エイミィや艦長にでも話すとし……


「(……クロノ。お前がそんなことをするとは思わないが、もし俺の事を誰かに話したら以前話した『10万回死ぬまで帰れま10』の実験台になってもらうぞ?)」


 ……ようと思ったが止めた方がいいな。誰だって人に知られたくはない秘密の一つや二つはあるだろう。この事は胸の奥に封印するとしようか。
 ………別に、拓斗の魔法が怖かったわけじゃないからな? 『10万回死ぬまで帰れま10』を受けた人が廃人になっていたり、多重人格になっていたり、性格が全くの別人になったことを聞いて恐怖したわけじゃないからな!!


 しかし、拓斗の反応は予想外だったな。今のみたいに何もない感じで来ると思っていたのだが……それだけ、彼女達が大切な存在だと言うことか。


「もう少し安静にしてた方がいいと医師に言われたんだろ? 俺はもう行くからゆっくり休みな」

「うん、分かったの」

「見に来てくれてありがとね、拓斗」

「あぁ。…行こうクロノ」

「分かった」


 拓斗に呼ばれ、僕は彼と一緒に医務室から出る。
 扉が閉まると拓斗は僕に振り返り、軽く頭を下げた。


「な、いきなりどうしたんだ?」

「連絡をくれてありがとう。この事を知らなかったら俺は後々悩むことになったかもしれないからな」


 そう言いながら微笑む拓斗。その笑みは同性である僕も少し照れるようなものだった。
 だけど、素直に礼を喜ぶ事が出来ない。伝えるためだけに通信したわけじゃないから……


「別に、礼を言われるような事じゃないさ。なのは達の事を伝えるためだけに通信したわけじゃないからな」

「は? それだけじゃないって……上層部の奴等が何か言ったのか?」

「正解だ。君と一度でいいから話がしたいそうだ」


 以前言われた通り、僕は拓斗の伝言を一文字も違わず上層部に伝えた。

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