3章 【真実】
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「ここは…どこだ……」
気が付くと僕は、見たこともない街の中にいた。
「確か電車の中で『幸せの箱』を開けて……そうだ。その後、吸い込まれたんだ。
ということは、ここは『幸せの箱』の中なのか?」
「その通り。」
いつの間にか目の前に、あの女がいた。
「おい、ここはどこなんだ!あの箱を開けたら世界一の幸せ者になるんじゃなかったのか!!!」
「フフッ、フハハハハハ!」
女の霊は狂ったように笑い始め、そして続けて言った。
「まさか、本当に信じていたのか?そんな箱があるなんて!」
「……あの話が嘘だったのは分かった。もう一つ、ここはどこだ。」
「ここは箱の中に私が作った小さな世界だ。」
僕は女の霊と喋りながら、頭の中で整理していた。すると女の霊は言った。
「のんびりしていていいのかなぁ?」
「どういうことだ。」
「この箱にはお前の魂だけを封じ込めた。つまり今、お前の肉体は私が操っている。
勿論、急がないとお前は何もかも失うことになる。部下、友人、そして妻。全てだ!」
「ふざけるな!早くここから出せ!」
「出たいなら私とゲームしよう。もし私に勝ったら出してもいい。」
「何をするんだ?」
「なぁに、ただのかくれんぼさ。」
「……まさかこの街を使って、お前が隠れるのか?」
「鋭いな。そうだ。ルールは簡単。お前は、この街のどこかにいる私を見つけて、
このナイフで私を刺せ。そうすればお前の勝ちだ。」
そう言って女の霊は、僕にナイフを手渡した。するといつの間にか女の霊は消え、
どこからか、声が聞こえてきた。
〈10秒後にスタートだ。〉
僕は早くあいつを見つけて元の世界に戻らなければならない。そして女の霊がカウントダウンをとる。
〈10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…0…ゲームスタートだ!〉
僕は走り出した。元の世界に戻るために……。
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