コードギアスR2
0612話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……ん?」
ふと、目を覚ます。
周囲を見回し、まず視界に入ってきたのは、床で大の字になったまま高いびきを掻いて眠っている洪古の姿だった。周囲には空き瓶や空き缶が大量に転がっており、それを見てようやく寝る前の事を思い出す。
そう言えばスレイに好きだと……
ふと、手の中にスレイの重みが無いのを感じ取り部屋の中を見回す。
この部屋にいるのは俺と洪古のみであり、スレイはおろか香凛の姿も無い。
朝陽が窓から降り注いで部屋の中を照らすが、キッチンの方にも2人の姿は無かった。
となると……外、か?
俺に掛けられていた毛布を畳み、廊下を通って外へと顔を出す。
「あぁ、あんたも起きたのか。随分と早いな。まだ午前5時過ぎってところだぞ?」
「……いや、俺はお前がまだ見張りをやっていたのに驚いたが」
扉の前で門番……と言うよりは扉番? をしていた人物を見て驚く。
そこにいたのは、昨日の夜に俺とスレイがこの小屋へと到着した時にもいた人物だったからだ。つまり、1晩中ここにいた訳で……
「ん? ああ、気にしないでくれ。俺は別に徹夜って訳じゃない。夜中に1度見張りを交代したんでな」
「何?」
その言葉に、どこで休んでいたのか疑問に思いつつも取りあえず頷く。少なくても小屋の中で休んだ訳じゃないのは確かだろうが。
まぁ、その辺を気にしてもしょうがないのか。
「それより、『あんたも』って事は俺以外にも誰か外に出てるのか?」
「ああ。香凛様が仕事があるからといって既にここを発ったし、あんたと一緒にここに来た女は20分くらい前に起きて、眠気覚ましに森の中を散歩してくるって出掛けていったぞ」
「そうか。ちなみに森の中でもどこに行ったのかは分かるか?」
その問いに、見張りの男は小さく頷いて小屋から続いている道の右側の方を指差す。
「その道をまっすぐ進むと、小さいけど湖がある」
「なるほど。これは礼だ。朝食代わりにでも食ってくれ」
そう告げ、ポケットから出したように誤魔化しつつ、空間倉庫からコンビニで買ったあんパンを取り出して手渡す。
「お、悪いな。……パンか。まぁ、贅沢は言わないが。出来れば饅頭とかの方が良かったな」
「悪いがさすがにそれは無理だ」
ちなみにこの場合の饅頭というのは、和菓子の饅頭ではなく肉まんとかの方だろう。
「中ではまだ洪古が眠っているから見張りを頼んだぞ」
そう告げ、教えられた道を通って湖へと向かうのだった。
朝陽が湖に煌めき、思わず眼を奪われる自然の美しさを感じさせた。
そんな中で、湖の畔に佇む1人の人影を見つける。俺と同様に湖に光る朝陽に目を奪われているのだろう。その朝陽に煌めく湖の中に存在しているスレイの姿は
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ