第58話 肉体死しても魂死せず
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そう思った矢先の事、一同はある事に気付いた。
月の光しか江戸の町を照らしていない事に―――
「こ、これって……」
「江戸中の明かりが消えちまってる! 一体どうなってんだ?」
驚く一同。その時背後のテレビ型のからくりが突如映りだす。
其処に映っていたのは、あの伍丸弐號の姿だった。
【江戸市民の諸君。今日この記念すべき日を皆で祝って欲しい。我が手に女王の御霊戻りし時、我等からくりは人を超え神にも等しい存在となるであろう―――】
まるで某独裁者の演説でもしてるかの様に伍丸弐號は語った。正しく革命、嫌、これはクーデターとも言えた。そう、からくりが人間に対し反乱を企てたのだ。
【皆はその記念すべき日を是非この目に焼き付けて欲しい。我等からくりがこの江戸を支配するその様を。だが、女王の御霊が戻らない時は、生贄の血を捧げる事となるだろう】
生贄の血?
疑念に駆られる銀時達の前に突き出されたのはあろう事か、新八であった。
どうやら奴等に捕えられてそのまま連れてこられたのだろう。
このままでは新八は生贄の名の下に奴等に殺されてしまう。そんな事をさせる訳にはいかなかった。
「けっ、どうやら奴さんは俺達をご指名の様だぜ」
「上等アル。御霊だろうが金玉だろうが届けてやるネ」
各々得物を手に銀時と神楽は立ち上がる。両者の目は熱い闘志にギラついており、何時ものシリアスモードにチェンジしたのが一目で伺える。
「おいフェイト。お前等は付き合わなくて良いぜ。これは俺達の喧嘩だからな」
「あら、私達の事を心配してくれてるの? もしかしてツンデレ? 男のツンデレなんて醜いだけよ」
ケラケラ笑いながら銀時を見るフェイトに銀時は軽くイラッとしたが黙っていた。此処で一々目くじらを立てては大人げない。
「それに、新八には向こう側でも結構世話になったからね。此処で新八君を見捨てるなんて出来ないからね」
「おぉっ! 暫く見ない間に結構成長したアルなぁフェイト。お母さん嬉しいアルよ」
「勿論、神楽の事だって覚えてるよ。だから神楽がピンチになったら助けてあげるよ」
「ウホホォイ! マジでフェイトが生まれ変わったみたいアルよ! とても以前金髪変態女の子だったとは思えないアル!」
何時も以上に目を輝かせる神楽。そして、満面の笑みを浮かべてそれに応じるフェイト。が、その横で何故か銀時が不満そうな顔を浮かべていた。
「おい、俺への恩はないのか?」
「勿論、一片もないわ」
キッパリと言い張るフェイト。そんなフェイトに対し、銀時の内に溜まり続けていた怒りのボルテージは遂に噴火した。
噴火と同時に大層怒りの形相になり、フェイトの頬を抓りながら睨みを利かせる。
「おい、てんめぇコラッ!
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