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駄目親父としっかり娘の珍道中
第58話 肉体死しても魂死せず
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この人達が私を立ち上がらせてくれた。だから、私は今でもこうして立っていられる。今でも私は明日に向って走れる」
「それが貴方なのですね。私の様にバグや欠陥だらけなのと違い、貴方は一人の人間として生を受けた。少しだけ、貴方が羨ましく思えます」

 たまが俯いた。からくりが他人を羨む事などありはしない。それほどまでにたまの人格は人間に近い完成度を誇っているのだろう。

「別にお前は欠陥品じゃねぇだろう?」
「銀時様」
「お前だけじゃねぇ。言っちまえば生きている奴等全員欠点だらけだ。完璧な人間や完璧な物なんてこの世に存在しねぇ。どいつもこいつも見方を変えりゃ欠点まみれさ」

 二人の間に割って入るかの様に銀時が進言した。この世に生きている者達全てが欠陥品。彼はそう告げているのだ。

「それでは、何故誰も自分の欠点を嘆かないのですか?」
「確かに皆欠陥を持っている。だけどなぁ、欠陥がある変わりにそいつしか持ってねぇ良い部分もあるってこったよ。だからこそ、人間は互いに手を取り合って明日を生きる。お互いに協力してでっかいビルを建てたり便利な車を作ったり、それこそ見渡す限り鬼だらけの世の中を生きていけるんだ。完璧な人間なんざお呼びじゃねぇ。俺達が欲しいのは、例え欠陥だらけでも、例え体ん中がバグだらけでも構わない。俺達と共に歩いてくれる仲間なんだよ」
「仲間……ですか?」
「当然たま、お前も俺達の仲間に既に入ってるからな!」
「え?」

 薄気味悪い笑みを浮かべながら銀時がたまを指差した。その行いにたまは驚きの表情を浮かべる。

「覚悟しろよコノヤロー。魔王を倒して大魔王の財産を頂く勇者ご一行に途中リタイアは許さないアルからなぁ」
「そう言うこった。さしずめお前は武道家タイプだな。その成りじゃ魔法の類は使えそうにねぇし。んで、俺が文字通り勇者ってことで、神楽が踊り子。んで、お前等はぁっと……」

 銀時はフェイトとアルフを見るなり顎に手をやって真剣に考え出した。
 何故こう言う時だけ真剣な表情が出来るのか甚だ疑問だが、其処が銀時なのであろう。

「うっし、まず其処の犬耳はお色気ダンサーだな」
「ちょっ、ちょっと待ってよ! 何さそのお色気ダンサーって? ってか、また私の事犬扱いしただろ! 私は狼だって何度言ったらわかるんだい?」
「あれだよぉ。お前の無駄にアピールしている色気を使って敵を悩殺するんだよ。ドラクエとかでもやってるだろ? パフパフとかセクシービームとか。あれやるんだよ」
「絶対やらないからね! そんな恥ずかしい事!」

 断固拒否しているらしいが、銀時は全く取り合おうとしない。そして、続いてフェイトを見て銀時は応える。

「お前はあれだ。遊び人に決定だな。勇者の言う事全く聞かないですき放題するからそれに
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