友のために・年少編
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な、青緑色の光を放つ六角長形の石が、浮かんでいる……?
大きさはそれほどでもないが、その清らかな光に触れんばかりに近づいた────その瞬間。
雨が、やんでいた。まだ森の中だったはずなのに、いつの間にか夜空に星が瞬く平原に自分はルーネスを背負ったまま立っていた。
………そして闇夜の地平線から、幾つかの灯りがこちらに向かってやって来る──── ?
「お前たち……! 無事か?!」
サスーンの、兵士たち………?
「全く、子供だけで無茶しおって! 姫様もかなり心配しておられたぞ、さぁ戻るぞ! ……ん、背負っている子供の方は、大丈夫なのか?」
「 ──── そうだ、これを……!! この花を、高熱病で苦しんでいるウル村の少年に……! 特効薬の材料となるんです、早く……早く、届けてあげてください……!!」
「何と……?! お前たちだけで、本当にドラゴンの住む山まで行き取って来たのか! 相判った、すぐに届けさせよう!」
「よ、かった………これ、で ─────」
「お、おいイングズ、しっかりせんか……!?」
この時自分は、気を失っているルーネスを背負ったまま、前のめりにくずおれ、意識が遠のいていった ──────
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「 ──── ルーネス、イングズさん、二人ともケガしてまでぼくのために、本当にありがとう……! おかげで高熱も下がって元気になったよ!」
「もう、ほんとによかった……! アルクゥは寝込んでたし、あんたたち二人までボロボロになって帰ってきた時は、すっごく心配したんだからねっ!」
「あれくらいヘッチャラだってレフィア! ケガなんかサラ姫が白マホーで治してくれたんだしさ! ………でもなんで白マホーってケガには効くのに、アルクゥみたいな病気には効かないんだろうなっ?」
「白魔法で治せない病気というのは、それなりにあるものなの。だから、お医者さまがいるのよ」
「ふ〜ん……、まぁとにかくアルクゥも治ったことだし、あのわるガキどもに仕返ししてやるかっ!」
「やめてよルーネス、そんなことしなくていいんだ。ぼくはもう、気にしてないから。二人が無茶してくれたってだけで、十分だよ……!」
「っはぁ〜、アルクゥはほんと優しいやつだよなあ! ほらおまえも……、イングズもなんとか云えよっ」
「きゅ、急に話をふるなルーネス。まぁ、何と云うか………友の、ためと、いうやつだ」
「お……? なんだってイングズ、もっとハッキリ云えよ!」
「う、うるさいな。───サラ姫さま、もう城へ戻りましょう」
「あら、何云ってるの? 今日はウル村に泊まりに来たのよ」
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