第三十五話『選ぶ道』
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とね……一つは僕、ここに……学園に居ようと思う」
「……」
「スウェンが……頼れって言ってくれたから僕はここに居ようと思えるんだよ」
「……そうか」
スウェンは背中を僕に見せながら、相槌を打つ。
「あと一つは……僕は自分であり方を決めようって思ったんだ。これからは、僕の意志で自分が正しいと思った道を選んでいこうと思う」
「……それが良い。敷かれた道を歩くより自分の意志で、自分の足でしっかりと進む。それが一番良い」
「うん。それとね、僕の本当の名前……『シャルロット』って言うんだ。大好きだったお母さんがくれた、本当の名前」
「シャルロットか……良い名前だ」
「ありがとう。スウェンにもこれからは名前で呼んで欲しいな……な、なんて」
「……」
スウェンが急に喋らなくなっちゃった……ち、調子乗っちゃったかな……
「わかった……シャルロット、これからもよろしく頼むぞ」
「え?……う、うん!」
さっきまで背中を向けていたスウェンが、いつの間にか少し顔をこっちに向けていたのがわかった。
スウェン……ありがとう。今ならハッキリわかる、僕はスウェンの事……
※
「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」
丁寧に挨拶をする、女子制服を着たシャルル改め、シャルロット。真那は疲労感たっぷりの声で
「えっと〜その〜……ということですので、み、皆さん。仲良くしてあげてくださいね……はぁ、また部屋割りをしなければなりませんね……」
「改めてよろしくね、スウェン」
常時疲れた表情で言った真那。そして笑顔のシャルロット、そしてスウェンは軽く笑いシャルロットを見ていた。
「カルバヤン君、どういうことか説明してほしいな」
「デュノア……さんと一緒の部屋だったからね〜」
「……厄介な」
その後弁明するためにスウェンは、真那並みに疲労したというのは別の話である。
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