第三十五話『選ぶ道』
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「ああ。本来なら建物の光等で星はよく見れないのだが、寮の離れの此処はよく星が見える……俺は気づけば何時もこうして此処に来ている」
「星が好きなんだね、スウェンは」
「……」
「スウェン?」
簪はスウェンの顔を覗きこむ。
「……こうして星を見ているときは、昔の事を思い出す。楽しかった事、辛かった事を……」
スウェンは自分の掌を見て
「それと同時に思い起こさせる。自分のしてきた数々の事を……俺は……」
首をふり、スウェンは苦笑し
「すまない、忘れてくれ。そうだ、今度お前に頼みたいことがあるのだが、構わないだろうか?」
「うん、いいよ」
「感謝する。本当にお前には助けられてばかりだ」
「そんなことないよ、私だってスウェンに……」
「?」
「な、何でもない!そ、それじゃ私寮に戻るから!」
そう言うと簪は慌ただしく寮へ歩いていった。
「……更識簪か」
簪の名を呟くと、スウェンも寮に向けて足を運ぶ。
「成る程、スウェン君と簪ちゃんはやっぱり仲が良いみたいね……」
スウェンが過ぎ去った後、1人の少女がそこには居た。
※
「スウェン、どこいったのかな……」
スウェンはたまにこの時間帯になると、外に行ってくるって言って部屋から出てく。もう20分たった。何をしてくるかまでは聞かなかったけど……。
「ま、まさか女の子と一緒に!!」
……そ、そんな訳無いよね!スウェンに限ってそんな夜に会うような娘が居るわけ……
け、けどもし本当にそうだったら……スウェン普通に格好いいし、ちょっと無愛想だけど優しくて、何時も気を使ってくれるし、一緒に居るだけで安心するし、絶対モテそうだよね……で、でもスウェンに限ってそんな……
「俺に限って何なのだ?」
「ひゃわぁぁ!!!!」
背後にスウェンが居たの気づかなくて思わず叫んじゃった……って声出てたんだ……
「何故そんなに驚く、可笑しな奴だ」
「は、ははは……」
お、可笑しな奴……それ結構ぐさりと来るよぉ……
「さて、戻って来て早々だが、俺はもう寝る。デュノアはどうする?」
「ぼ、僕もそろそろ寝るよ。明日は普通に授業あるからね」
「そうだな」
スウェンはそのまま自分のベッドに寝転がって、背をこっちに向けた。僕もベッドに寝転がって
「電気消すね」
「ああ」
同時に部屋は暗くなり、静かな時間がやってくる。
い、言うなら今だよね?
「ねぇ、スウェン。僕決めたことがあるんだ」
「何だ?」
「えっ
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