第六十五話
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いサラマンダーの筈だ。そして一部だけ聞いた、《蝶の谷》や《装備》、《実力者であるリーファの動向》と言ったキーワードを合わせると、誰にでも分かるキーワードが一つ。
「サラマンダーの襲撃か……」
その可能性を無くすために、領主館にいる一部のシルフにしか、今回の会談のことは知らされていなかったのだろうが……レコンのパーティーリーダー、シグルドは領主館にも立ち入れる実力者である。そのシグルドがサラマンダーに協力しているのだから、どれだけ情報をシャットアウトしていようが意味をなす筈がない。
「うん。シグルドがなんでサラマンダーに協力してるかは分かんないけど……」
その会談に同行している領主館の友人にメッセージを送り、レコンはサラマンダーに狙われているという情報を送ったらしいが、撤退が間に合うかどうかは……正直五分五分であるそうだ。その友人と同時にリーファにも連絡を取ったらしく、キリトとともに世界樹へと向かっていた彼女も、《蝶の谷》へと向かっているとのことだ。……キリトももちろん、向かっていることだろう。
レプラコーン領から出発している俺たちは、ほぼ間に合わないとは思うが、同じくシルフ領から出発していて、俺たちよりスピードの速いキリトとリーファ組ならサラマンダーの襲撃に間に合う筈……と祈るしかない。ここでシルフの世界樹攻略が遅れてしまえば、協力を取り付けるのは絶望的になってしまう。だが、シルフとケットシーの会談が成功すれば……世界樹攻略のスピードも、かなり速まるはずだ。
そして恐らく間に合わないとは言っても、諦めて歩くわけにもいかない。俺たちも同様に、急いでダンジョン内を走り抜けていく。視界で判断するモンスターはレコンの闇魔法で欺き、プレイヤーのサーチャーは俺のクナイやリズのメイスで倒し続けて、レコンの闇魔法で欺けない敵は、《トレイン》によって他のプレイヤーに押し付ける……と言った具合で。
そんなマナー違反なダンジョンアタックをしていると、遂にトンネル状のダンジョンを抜ける。ようやく外に出たかと思ったが、残念ながら着いたのは開けた空間に吊り橋がある場所だった。吊り橋の下では激流が流れていて、その向こうには日光のような日差しが見て取れる。……どうやら、この吊り橋を渡った向こう側が外のようだった。
「ようやく外か……!」
走るのではなく、飛べるとなればもう少しスピードアップすることだろう。そう思いながら、吊り橋に向かって行こうとした時、身体から何かが抜けていくような感覚を味わった。……そう聞くと随分大げさな話だが、ただレコンの《ホロウ・ボディ》の持続時間が切れてしまっただけである。
「もう敵もいないみたいだし、かけ直さなくて良いんじゃない?」
「うん。MPも取っておきたいしね」
ダンジョン
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