第六十五話
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言ったところか。リズもまだ詳しい説明は受けていないようで、レコンの方を不安げに向いている。
「ええと、大変なんだ……走りながら話そう!」
レコンも大分慌てているようで、俺たち三人にレコンの十八番である《ホロウ・ボディ》を発動すると、中立地帯である今の街から世界樹方面のダンジョンへと走り出した。ここに来るまでは、ウンディーネが使っていたという水路を使わせてもらったが、世界樹方面にはそんなものはないようで、そのままダンジョンに潜入する。
もちろん潜入とは言っても全力で走ってはいるので、即座にモンスターに遭遇してしまうのだが……そこはレコンの魔法《ホロウ・ボディ》によって、そのモンスターに触れない限りはバレることはない。たまに俺たちを待ちかまえているようなプレイヤーがいたものの、遠距離からサーチャーをクナイで倒して、不意打ちに身構えている間に走り抜けて事なきを得ていた。
「で、どうしたのよレコン!」
追いすがって来ていたサーチャーをメイスで叩きのめしつつ、リズが先頭を走っているレコンへと問う。足の速さならばレコンより俺の方が速いものの、土地勘やダンジョンアタックの経験があるレコンが先頭の方が、何かと都合が良い。
「サラマンダーとシグルドが、何をしようとしてるか分かったんだ!」
俺たちとレコンが同行している、そもそもの頼み事。サラマンダーと、レコンのパーティーリーダーのシグルドが共謀していることを暴くのに協力してほしい、とのことだった。二番目に世界樹攻略に近いシルフの協力を得るために、その頼み事に応じた俺たちだったが、調査は数個のキーワードが聞こえたのみで失敗だった。
接触していたシルフとサラマンダーは、逃げだした一人を除いて壊滅させて、俺たちは聞き取れた数個のキーワードの一つであった《蝶の谷》へと向かっていた。だが、そのキーワードを元にして、レコンは領主館にいるというシルフの友人にメッセージを送ったところ、そのメッセージの返信から、サラマンダーとシグルドの企みと数個のキーワードが繋がったのだと言う。
「領主館の友達が、今日はその《蝶の谷》で秘密裏にケットシーとの会談があるんだって、さっきメッセージが来たんだ……」
《猫妖精》ことケットシーという種族の妖精達は、聴力や視力という基礎能力に恵まれつつ、モンスターをテイムすることに長けた種族である。弱点は、素早い分やや身体が貧弱であることだが、モンスターをテイムするという長所から世界樹攻略では第三位をキープしている種族だ。
「会談の内容って?」
「シルフとケットシー、二種族で協力して世界樹の攻略に乗りだすって話だって」
攻略に近い二つの種族が共同戦線をして、世界樹の攻略を目指す――という話が面白くないのは、やはり、現在最も攻略に近
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