『馬である龍』編
第六十八話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
くれ!」
「はいよ。・・・民よ、甘美なる酒に酔いしでろ!」
とりあえず、頼まれたとおりに権能を使う。
「我は酒を持って薬を為し、薬を持って酒とする!今一度命ず。民よ、甘美なる酒に酔いしでろ!」
その瞬間に、今まで出一番でかい酒樽が出てきた。
この権能で出てくる酒樽・・・治したい対象の格によって大きさが変わるのかな?
「ほれ、酒だ。ついでに、薬だ」
「どうしたらいいんだ?」
「経口摂取以外では俺たちには効かないからな。飲めばいいだろ。ほれ、ぐいっと一杯」
「そんなでかさじゃないだろ、これ・・・」
護堂はそう言いながらも三人から抜け出し、酒樽から酒を飲んでいく。
「国づくりに参加した神・・・医薬、温泉、禁厭、穀物、知識、酒造などを司り、鬼を退治することで英雄、鋼の神格も得る・・・」
「お、これだけで霊視できたのか。さすがは祐理だな」
俺は酒樽から口を離した護堂を見て酒樽を消し、祐理に問いかける。
「で?この権能がどの神から簒奪したものなのか、分かったか?」
「はい・・・申し上げます。今の権能は、スクナビコナ神から簒奪したものですね」
祐理の目の色が戻り、そう言ってきた。
流石は日本でも屈指の霊視能力者。
「武双さんがスクナビコナ神を殺したことは梅さんから報告がありましたが、どんな権能を簒奪していたのかまでは存じ上げておりませんでしたので・・・」
「あぁ、報告してなかったんだ、梅先輩」
「はい。梅さんから報告されているのは、あなたがどんな神を殺したのか、までですから」
確か、俺梅先輩にはどんな権能を簒奪したのか全部報告してたはずなんだけどな・・・
「じゃあ、正史編纂委員会は俺についてどこまで把握してるんだ?」
「えっと、ですね・・・神代家から報告された六つのみだったと思います」
となると、隠してたのとそれ以降に簒奪した権能・・・『火の知恵者の仕掛け』、『豊穣王』、『破壊者』、『医薬の酒』、『舞台袖の大役者』については知らないってことか。
最後の一個とか、掌握したの今さっきだし。
「で、祐理が把握してるのはそれにプロメテウスとスクナビコナを加えた分、ってところかな?」
「そう、なりますね」
祐理がそう答えたところで、エリカが何か気になったようだ。
「そういえば、武双。あなたはいったいどれだけの神を殺したのかしら?」
「おいエリカ!王に対してなんと言う口調を、」
「いいんだよ。同級生から畏まった言葉遣いとか、色々と変に目立つし」
俺はそう言いながら、頭の中で数えていく。
「えっと・・・従属
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ