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いつか必ず、かめはめ波を撃つことを夢見て
第16話 登場!孫悟空
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 時は進み、原作の始まるエイジ749年になった。しかし、ナシゴはそのことには、特に気づいておらず、いつもどおりの修行を続けていた。
 
「おはよう、ボラ、ウパ」
 カリン塔のてっぺんからいつもの様に降りてきたナシゴは、二人に挨拶をした。聖地カリンの戦士は世代交代をして、今はボラが主に土地を守っている。ウパはその子供だ。ナシゴは、聖地カリンの戦士を何代にも渡って見守ってきたのだった。ナシゴは、ボラを子供の頃から知っており、その成長を近くで見てきた。その見守られてきたボラは、ナシゴの事をとても尊敬していた。

「「おはようございます、ナシゴ様」」
 二人が、挨拶を返してくれる。ウパは、最初はナシゴに対して人見知りをして、挨拶も返してくれなかったが、最近はそんなことも無くなり、しっかりと挨拶を返してくれていた。

「今日は、暑くなりそうだな」
「そうですね」
 キラキラと輝く太陽を見て言うナシゴの抱いた感想に、ボラが同意する。その時。

「何だ? 飛行機?」
 ナシゴが空を眺めていた時に、視線の先に飛行機が何台も飛んできた。その飛行機は、聖地カリンには似つかわしくない、赤や黄色の派手な色をした飛行機で、それが何台もの数が一斉に飛んでいた。

「ナシゴ様、少し厄介なことになりそうですね。……ウパ、隠れていろ」
 ボラが、何かを感じ取り、ウパを隠れさせる。ナシゴも、ボラと同じく、厄介なことになりそうだという予感を抱いていた。そして、ナシゴの視線の先には、レッドリボン軍のマークがあった。レッドリボン軍のマークを見た時、ナシゴはおぼろげになった原作知識が蘇るのを感じた。
(そうか、もう原作が始まっているのか)

 飛行機は、そのままナシゴ達の目の前に降り立ち、そこから獣人や人間達が降りてきた。飛行機から降りて、こちらに向かって歩いてきた。先頭を歩くトラ型の獣人が乱暴な口調と大声で、しゃべる。

「何だ、こんな奥地に人が居るじゃねぇか」

「お前たち、聖地カリンに何の用だ?」
 ナシゴが、乱暴な相手に対する口調で、そう聞き出す。ボラは、ナシゴの横でヤリを構えて、何時でも準備体勢が整った状態で対している。

「何だ、偉そうに!」
 ナシゴの口調が気に入らなかったのか、トラ型の獣人が怒り出す。しかし、任務のことについて思い出した獣人は、任務を優先することにした。
「まぁ、良い! 貴様ら!オレンジ色に輝く玉を持っていないか?」
「これのことか?」
 ボラがポケットから玉を一つ取り出す。ナシゴは、ボラがドラゴンボールを持っているとは知らなかったのでビックリしたが、その感情は表に出さずに敵に向かって目線を向け観察し続けていた。

「それだ! それを渡してもらおうか」
 銃を構えた、トラ型の獣人が近づいてきた。


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