暁 〜小説投稿サイト〜
きらい(すき)
2日目〜放課後〜

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今は優華といつものカフェで待ち合わせをしている。

…あ、来た!
ん!?

幻覚?!

「みらいおまたせ〜なかなかこいつ、つかまらなくてさ〜」

優華の隣でそっぽを向いているのは…

「篠田、裕也…」

そう。昨日私を怒らせた張本人だ。

「な、なぜここに…」
「いや、あのあとさ。話聞いたらどう考えてもこいつが悪いからさ〜。謝らせに連れてきた」

いやいやいや。
謝ろうとしてないだろ。これ

篠田裕也はいつの間にか深く腰掛け、私が頼んでおいたパンケーキを食べている。

「おいっ!」

あいつの前からパンケーキをうばう。
楽しみにとっておいたのに半分も食べやがった!

「えええ…」
「お前がそれ以上太らないように。ちゃんとした気遣いだろ。」
「裕也!」

優華の怒声と共にひじ打ちをくらっていた。

「謝りに来たんでしょ?」

私が聞いたこともない低い声が優華から発せられる。

「はいはい。…悪かった…」

すごく小さな声でそんな声が聞こえてきた。
意外だった。
絶対に謝らないヤツだと思ったのに…

「…とか言うと思った?」

前言撤回!!
こいつは謝れない顔だけの極悪人間でした!

「裕也!!」

次はグーパンチが繰り出される。

「いっ、て〜…」

本当に痛そうに顔を歪めている。

「謝れ!」
「なんでだよ!昨日のことはこいつが原因だろ」

「もういいよっ!!」

「確かに原因は私だし。謝ってほしいとも思ってない」
「みらい…泣いてるの…?」

いつの間にか私の頬には温かいものでぬれていた。

「っ……!」

私の足は勝手に家の方向へと向かっていた。


家族とろくに会話もせず自室へと向かう。
そのままベッドにダイブした。

「また、逃げちゃったなあ…」

昨日も今日もあいつの話なんて聞かずに逃げ出している。
まあ、話を聞いたところで私が得をすることは何一つないと思うが…

それでもなぜか私の中にほんの少しあいつのことを知りたいと思ってしまう自分がいるのがとても悔しっかった。




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