暁 〜小説投稿サイト〜
打球は快音響かせて
高校2年
第三十三話 えげつない
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
第三十三話



「今日は決勝だ。」

浅海が円陣の中で神妙な顔をしながら口を開く。三龍ナインは口をキッと引き結んでその話を聞く。

「トーナメント戦で、負ける事なく大会を終えられるのはたった一校。もちろん、優勝校の事だ。優勝。それは格別だ。極端に言えば、一度負けるという意味では初戦負けも準優勝も変わらない。たった一校だけが負けない。その一校に、君達はなりたいか?」
「「「ハイ!!」」」

力強く返事をする三龍ナイン。
浅海もその返事を見て、更に声を張り上げる。

「既に州大会が決まっているだとか、そんな事は関係ない!勝つぞ!狙うは優勝だ!」
「「「おおおおおお!!」」」

三龍ナインが意気を上げた。



スタメン
三龍
4渡辺 右投右打
6枡田 右投左打
8鷹合 右投左打
7太田 右投右打
5飾磨 右投右打
2宮園 右投右打
1越戸 右投左打
3安曇野 左投左打
9剣持 右投右打

水面商学館
1三田 右投右打
4楓山 右投右打
2梶井 右投右打
9赤石 左投左打
3浦田 右投左打
8内田 右投左打
7森 右投右打
6室尾 右投左打
5蕨 右投左打



ーーーーーーーーーーーーーー


「三田く〜ん、調子どうよ〜?」
「まぁまぁやないですかァ?打順も1番なのはしんどいっすけどね」

浦田が、ブルペンで投げ込む今日の先発・1年生の三田に声をかける。2人ともよく似ている。同じように雰囲気がチャラい上、2人とも1年の春から試合に出ている実力者だ。

「いや、それにしても可愛いな〜。」

浦田は三龍ベンチの浅海を目を凝らして見る。色白の肌が少しだけ小麦色に焼けているが、まだ張りも艶もある。ポニーテールが似合うのは浦田の好みである。

「浦田さん、あれ言うて二十歳半ば越してますよ?浦田さんて年増が好きなんすか?」
「逆に聞くけど可愛い年増とブスなJK、三田はどっちとるんね?」
「まーたそんな極端な事言いますー?もちろん俺は可愛い年増よりブスなJKより可愛いJKっすよ〜」
「分かっとらんな〜お前〜。大人相手やと甘えさしてもらえるんに〜」

2人が談笑してるしてる間、捕手の梶井は放っておかれる。試合前にも関わらず相手の監督の容姿を品定めしている姿に、梶井は大きくため息をついた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



カーン!
「いぃよっしゃァーー!センター前ぇえええ!」

一回の表、三龍の攻撃。
トップの渡辺が倒れた後、2番の枡田がセンター前へ。いつも通り大声を上げて枡田が一塁に生きる。

<3番センター鷹合君>

続いて打席には、これまでの7番から3番に打順を上げた鷹合。3番を打って
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ