コードギアスR2
0611話
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レイの体臭と汗が入り交じりった濃厚な女の匂いがこれでもかとばかりに俺を包み込む。半ば俺に抱き付いている状態もあって、正直このままでは色々と危険だ。元々スレイはかなりの美形で、大きい胸が身体を鍛えている事もあって更に強調されているのだ。女としての魅力を感じないかと言われればNoだと断言するくらいには。
「分かった、分かったから、とにかくちょっと離れろ。話はきちんと聞く。聞くから……」
「だから、いい加減私も見ろって言っているんだ! お前は、私をシャドウミラーに引き入れた責任がある。つまり、私の面倒を生涯見続ける義務があるんだ!」
「そうだな、そうかもしれないな。とにかく詳しい話は明日にでも聞くから、ちょっと離れろ。お前、自分が周囲の視線を集める程の美人だっていうのを理解してだな」
全く、こうも酒癖が悪いとは思わなかった。俺も酒癖は悪い方だと聞かされてはいるが、それでもここまででは無いだろう。……無いと思いたいな。
一瞬、以前酒を飲んで記憶を失った時の翌日の記憶が脳裏を過ぎるが、それはとにかく置いといて。
そんな風に思っていると、スレイの目が再び俺へと向けられる。
そして……
「だから! なら何で私を口説かない! 私はお前に口説かれるのをずっと待っているんだぞ! 私を惚れさせたんだから、きちんと責任をとって私も恋人にしろ!」
そう叫ぶのだった。
「……何?」
スレイのその叫びに思わず問い返すが、肝心のスレイは目を潤ませながら俺へと視線を向けてくる。
「私は……お前が好きなんだ。確かに最初シャドウミラーに所属したのは兄様の病気を治療する為だった。だが、それは最初だけだ。私はアクセルを、お前を……」
真剣な表情でそう告げ、そのまま俺へと顔を近づけてくるスレイ。そして俺とスレイの顔の距離が5cm、4cm、3cm、2cm、1cmと近付いていき……次の瞬間には体重を預けるかのように倒れ込んでくる。
「……え?」
予想していたのとは違う感触に、再びそう呟き視線をスレイへと向ける。
「すぅ……すぅ……」
だが肝心のスレイはといえば、何を言うでもなく安らかな寝息を立てていた。
まるでここ以上に安心出来る場所は無いとその身で示すかのように。
「……えっと……」
あまりと言えばあまりの事態に、数秒程混乱する。
「ほら、とにかく風邪を引かないようにこれでも掛けてやれ」
溜息と共に洪古から放り投げられたのは1枚の毛布。それを受け取り、完全にこちらを信用するかのように身を委ねて眠っているスレイへと掛けてやる。
スレイが俺を好き?
その言葉を思い出しながら、これまでのスレイとのやり取りを思い出す。
スレイを試す意味でお前の身体を寄こせと告げた事。
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