憎悪との対峙
22 秋から冬へ
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ストで50点取れないと再テストでしょ?ミソラ、数学大きらいだからなぁ...」
「....ちょっと先に行ってて。ついでに提出しなきゃいけない宿題もやっていくから!!」
「ちょっと!?まだやってなかったの!?」
ミソラは踵を返し、走って控室に戻った。
スズカはため息をつきながら駐車場のマネージャーの愛車であるHONDA・Accordの方へ向かった。
「あ、ミソラは少し遅れるそうです」
「あぁ、そうですか。スミマセンね、いつも」
スズカは隣でTOYOTA・PRIUSのエンジンを掛けて待機したミソラのマネージャーに伝えると後部座席に乗り込み、ゆっくりとAccordは発進した。
「今日は久々の学校ですね」
「うん、でも授業についていけるかな...特に理科と社会」
「英語とか数学とかは大丈夫なんですか?」
「大丈夫、英語もとから好きだし、最近では洋画の吹き替えとか多かったし、数学は忙しい中でもテキストやってたから」
スズカの本業は女優、ラジオDJ、声優などタレント業がメインで歌手ではない。
そして最近では洋画の吹き替えも多く、英語に触れる機会も多い。
「数学のテキスト...あぁ、例のファンの人が教えてくれたってやつですね」
「そうそう、凄く分かりやすくて、この間の期末テストも全く学校に行ってないのに数学で学年10位に入っちゃった」
「スゴイじゃないですか!でも気をつけてくださいね」
「何を?」
「別に某アイドルグループみたいに恋愛禁止令は事務所から出てませんけど、スキャンダルにならないように。これからが大事な次期ですから」
「...それって私がアキトくんに恋してるって?」
「違うんですか?」
「大体、男か女かも分からないのに恋だなんて!考え過ぎだよ!」
スズカはあまりにも唐突に言われて笑い始めた。
だがすぐに笑いが消えた。
確かに外れてもいない気がしてきた。
これまで何度も引退しようと思ったし、スタッフと折り合いがつかずに折れそうになった時にもいつも支えてくれたのはミソラの優しさとファンレターの暖かさだった。
最近ではファンレターが届かないだけで悲しくなるまでになりかかっている。
スズカはそれに気づきかけ、話題を変えた。
「そういえば考え過ぎと言えば...ここ数日のインターネットが使えなくなったり、デンサンシティで色々と事件が起こってるのって何か変だと思うんだけど...」
「まぁデンサンシティの事件なんて今に始まったことじゃないですよ。あそこは危険地帯ですからね。でもインターネットが使えないのは大変ですね。仕事にも支障が出ますし」
Accordは高速に入ると更に速度を上げた。
周囲には多くのバスが走っている。
リニアバスが動かなくなったため、人が運転するバスを再び動かす事
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ