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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
22 秋から冬へ
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いのに曲書いてくれて」
「いやいやスズカが歌詞書いてくれなきゃ出来なかったよ。私、歌詞が先だから」

ミソラはスズカにペットボトルのミネラルウォーターを渡した。
お互い睡眠時間は少なく、疲れ気味だった。
2人はドル箱アイドルだ。
午後10時以降に活動させられることも珍しくはない。
これは労働基準法違反だ。
これによって2人は中学生でありながら、殆ど学校には行っていない。
特にミソラは元から勉強が得意でないこともあり、音楽と体育以外の成績は大概2だ。
スズカに関しても5は1つもない。
そんな状態で2人は今日に喜びを感じていた。
ついさっき2人で曲を作り上げたことと、今日は珍しく学校に行けることだ。

「でもなぁ...未だに分からないんでしょ?『アキト』くんっていう人が誰か」
「そうなんだよね。それに君付けしてるけど、男の子か女の子すら分かってないし。今でもファンレターは来るんだけど。何だか返事書いても話が繋がらないんだよね。まるで私の返事読んでないみたいに」
「送り先間違えたんじゃない?」
「そんなこと無いと思うけど...」
「でもあの時は凄かったよね。最初にスズカがファンの人から送られてきた曲をカップリングにするって言い出したことに驚かされたけど、私の作曲したA面よりB面のカップリングの方がスッゴイ人気でちゃったんだもん」

これは数年前、スズカが無名の頃から応援しているファンから届いた曲についての騒動だった。
ラジオで「最近、着メロにする曲を悩んでるんだよね。ミソラの曲だとスタッフみんな登録してるから誰に着信が来たか分からないし」と口にした数週間後、ファンレターとともに曲データの入ったメディアが送られてきた。
その曲はしっとりした出だし、デジタル感溢れるトランスとジャズチックなピアノ伴奏、ドラムのくせのあるリズムなどミソラの曲とは全く違うが、切なく激しい冬を思わせるものだった。
スズカはこの曲に完全に心奪われた。
最初は着メロにするだけだったが、それでは飽きたらず、数ヶ月後に舞い込んできたスズカが企画で2枚目のCDを出す機会が出たことで完全にその思いは爆発した。
1枚目同様にミソラがA面、B面ともに作曲しスズカが作詞をするという流れを踏襲する事が考えられていたが、スズカはここでこの『アキト』が作曲した曲をB面にすると言い出した。
それは親友であるミソラをB面で起用しないと言ったも同然、つまり友情にヒビを入れかねない行為だ。
しかしミソラは驚きながらもそれを受け入れ、編曲ということで参加したが、あまりにも自分の得意ジャンルと離れていたこと、そしてあまり手を加えると逆に質を下げてしまう程の完成度の高さから間奏部にディストーションの効いたギターを入れる程度だった。

「そうだよね。あれは色々物議を醸したよ
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