憎悪との対峙
22 秋から冬へ
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う?トランサーのIP電話が使えないし、メールもダメだと連絡出来ないじゃない?だからいつでも連絡が取れるように携帯電話を用意しておかないと」
「携帯電話....あぁスマートフォンとかね」
スバル自身、スマートフォンなど買ったことはなかった。
全てトランサーのIP電話機能で電話は完結したからだ。
しかしビジネスシーンなどではまだまだ愛用されていることは知っていた。
「そうよ、データ通信は出来ないのは同じだけど、従来通りの回線、それも高音質で電話が出来るのは携帯電話だけですから」
「そうだね...」
「親子で加入すると安く済むし、スバルの声もいつだって聞けるじゃない」
「....うん、分かった」
そう言ってスバルはベッドから起き上がり、あかねとともに玄関に向かった。
スバルはあかねの心中を察した。
自分と離れるのが寂しいのだ。
それも数年前に最愛の夫と離れ離れになってから、それを埋めるように息子である自分を一層溺愛するようになったからだ。
その影響はスバル自身にもあった。
母親を自分が守ろうとする意識が強まり、何かを失うことに極端な恐怖を抱くようになった。
それが原因でウォーロックと出会うまで自分を塞ぎこんでしまう程に。
だが今でもその恐怖心は全く変わらない。
だからこそ何かを失わないようにシューティングスター・ロックマンとしてFM星人と戦おうと決めたのだった。
『携帯電話?何だよ、そりゃ?』
「たまに見るでしょ?トランサーとPET以外で電話している人」
『あぁ、あれか。あれならこの状況でも通話できるってわけか?』
「そういうこと」
スバルはトランサーをポケットに仕舞い、靴紐を結び始めた。
10月29日、午前6時33分。
オクダマスタジオ内では朝の番組の生放送をやっていた。
「ミソラちゃんとスズカちゃんからお知らせがあるということで...ではミソラちゃん、スズカちゃん、よろしく!」
「ハイ!え〜クリスマス、そしてスズカの誕生日である12月25日にスカイタウンのスカイパークホールでコンサート、あとトークショーイベントをやります!!」
「珍しく私も歌います!!」
「もしかしたら2人のデュエット曲披露もあるかも?」
「ぜひ見に来てください!チケットは明後日の31日から販売開始です!!」
「ハイ、ということで本日のゲストは響ミソラちゃん、氷川スズカちゃんでした!!また遊びに来てくださいね!!」
響ミソラと氷川スズカは控室に戻ると、椅子に座り、ため息をついた。
「ハァ...これって労働基準法違反とかにならってないのかな?」
「ん〜ギリギリって感じもするけどね、そういえばありがとうね。忙し
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