憎悪との対峙
22 秋から冬へ
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て買ったのかしら?」
「.....」
シドウはリサの疑問の持つポイントに改めてアナログな自分とは違う進化している人類だということを再認識した。
午後5時、星河スバルは自室で荷造りをしていた。
『おい!まだかよ!スバル!?』
「待ってよ、それに今準備出来ても出発は明後日なんだからさ」
スバルはため息をつき、最後の下着をひとまとめにした袋をバッグに入れた。
これで荷造りは完了だった。
「でもゴメン、正直、昨日の段階まで全く信じてなかったからさ」
『まぁオレの言い方も訳分かんなかったかもしれねぇけどよ』
「本当にウォーロックの言う通りにデンサンシティで事件が起こった。それに今日も」
問題はスバルは床に広げた新聞のインターネットダウンの見出しとは打って変わって端の目立たないところにある記事だった。
ウォーロックの感じ取った通りの場所で殺人事件があったのは昨日のことだが、今日、また新しい事件が起こった。
その記事には
『デンサンシティで謎の雷、再び?』
上空からの雷ではなく、地面から空に向かって伸びる雷を見たという目撃証言、そして写真が載っていた。
昨日も雷が地面から空に向かって伸びるという事件があったらしく、ウォーロックの言う通りだった。
「この雷、どう見ても電波人間の攻撃だよ」
『あぁ、地球の雷なんざ見たことはねぇが、あからさまに地球のものじゃないのは分かる』
「それに中学生たちが殺された現場でも同じような雷が目撃されたニュースがあったしね」
スバルもこれまでの電波人間としての経験から昨日とは違い、写真があることで見分けがついた。
これまでも雷を使う敵、稲妻のような攻撃を使う敵などあらゆる敵と戦ってきたから分かることだった。
「多分、今回のインターネットダウンも何か関係があるかもね」
『あぁ、このオレたちとそっくりの電波体の他に数体の気配を感じた。多分、電波人間同士の勢力がぶつかったんだろう』
「どっちが味方、っていうかどっちも敵なのかな?」
『そう考えた方が楽かもな。片方が片方の情報を撹乱、社会のパニックに乗じてまた何かやらかす気だろうよ』
「いったい何が起こってるのか....」
荷物を机の上に置き、ベッドに倒れ込んだ。
トランサーの通信が使えず、もはやミュージックプレイヤーや画素数の低いカメラの機能しか使えない端末に成り果て、現代の情報化社会の弱さを実感しながら再びため息をついた。
そんな時、部屋のドアがノックされた。
「ん?母さん?」
「スバル!ちょっと一緒に出かけましょう?」
あかねはドアを開けると、部屋に入ってきた。
「どうして?」
「あなた、明日、出かけるんでしょ
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